【ケース10】PDMシステムへのデータ移行はどう行うべきか?設計現場のデータ管理を考える(10)(3/3 ページ)

» 2023年03月02日 08時00分 公開
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PDMシステムへのデータ移行“前”に行うべきこと

 PDMシステムへのデータ移行を始めたAさんは、次の作業に悩まされることになりました。

 最初の製番データ、例えば、製番12001に関しては問題なくチェックイン可能です。そして、PDMの構成で同一ユニットにおいて共通部品と製番ごとのカスタマイズ部品を、別々に管理するのであれば、

  • 最初にチェックインしたデータをチェックアウトし、改訂を施して再度チェックインする
  • 同一ファイル名で、異なるファイル名のものを同じものに付け直す
  • アセンブリとパーツファイルのリンクを修正する

といった作業を行う必要があります。製番ごとに共通部品の関連性もなくファイル管理するのであれば、その作業も減りますが、これでは関連性の管理が行えるPDMの効果を発揮できません……。

 PDMシステムへのデータ移行“前”に行うべきことは、次の2つに尽きます。

  • 設計現場のデータ管理状況の把握(PDM担当者)
  • 流用設計データの整理(各設計者)

 また、PDMシステムの導入推進では、今回紹介したような留意点を踏まえ、作業時間を十分に確保した上で、データ移行を進める必要があります。



 次回はPDMシステムからの最終成果物として「BOM運用」について考えます。お楽しみに! (次回へ続く

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Profile

土橋美博(どばし・よしひろ)

1964年生まれ。25年間、半導体組み立て関連装置メーカーで設計・営業・3次元CAD推進を行う。現在、液晶パネル製造装置を主体に手掛けるプレマテック株式会社で3次元CADを中心としたデジタルプロセスエンジニアリングの構築を推進する。ソリッドワークス・ジャパンユーザーグループ(SWJUG)/SOLIDWORKS User Group Network(SWUGN)のリーダーも務める。


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