「RICOH THETA X」がGNSSモジュールを搭載、正確な位置情報の埋め込みが可能に:組み込み採用事例
u-bloxのGNSSモジュール「u-blox ZOE M8B」が、リコーの360度カメラ「RICOH THETA X」に搭載された。GPS機能が加わったことで、カメラ単体で正確な位置情報を取得し、データに埋め込むことができる。
u-bloxは2022年10月11日、GNSS(全地球測位システム)モジュール「u-blox ZOE M8B」がリコーの360度カメラ「RICOH THETA X」に搭載されたと発表した。
u-blox ZOE-M8Bは、4.5×4.5×1.0mmのSiP(システムインパッケージ)GNSSモジュールで、3つの衛星群の同時受信と高精度の測位が可能だ。「Super-E(Super-Efficient)モード」での消費電力は、12mWを保証する。また、SAWとLNAを内蔵しており、パッシブアンテナに適している。
RICOH THETA Xは、水平方向や半天球だけでなく、撮影者周辺の空間全てをワンショットで写真や動画に記録できる。大型液晶タッチパネルを搭載し、データをその場で確認できる。
リコーの360度カメラ「RICOH THETA X」 出所:u-blox
今回、u-blox ZOE-M8Bを搭載したことで、RICOH THETA XにGPS機能が加わった。GPS(QZSS)とA-GPSによりカメラ単体で正確な位置情報を取得し、データに埋め込むことができる。また、ユーザーは、撮影前にGPS信号の受信情報を液晶パネルで確認できるため、確実な位置情報の取得が可能だ。
位置情報精度は半径5mで、建設現場の現地調査や不動産業者の物件紹介に活用できるだけでなく、友人と360度写真をシェアすることもできる。
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