キヤノン、米国での模倣品販売者に対する商標権侵害訴訟に勝訴 : 知財ニュース
キヤノンは、カメラ用バッテリーやインクジェットプリンタ用プリントヘッドなどの模倣品販売者に対して行った、米国での商標権侵害訴訟に勝訴した。
キヤノンは2022年10月6日、米国ECサイト上での模倣品販売に対する、商標権侵害訴訟に勝訴したと発表した。今回の訴訟は、カメラ用バッテリーやインクジェットプリンタ用プリントヘッドなどの模倣品を米国EC(Eコマース)サイト上で販売している、同国外の販売者に対して一斉に行ったものとなる。
同社は、キヤノン製品の模倣品販売者(52セラー)に対し、商標権を侵害しているとして、米イリノイ州北部地区連邦地方裁判所で商標権侵害訴訟を提起。これを受けて、対象者の約半数は同社商標権の優先権を認め、模倣品の販売を停止することに同意した。その他の被告は法廷での反論がなく、同年9月に侵害行為の停止などを命じる判決が下された。
近年、世界的なEC市場の拡大に伴って、グローバルな取引の中に模倣品が入り込むケースが頻発している。模倣品は故障や品質不良による経済的損失などをもたらすケースもあり、同社は今後も模倣品に対して厳正に対処するとしている。
⇒その他の「知財ニュース」の記事はこちら
アップルVSサムスン特許訴訟の経緯と争点を振り返る
アップルとサムスン電子のスマートフォンに関する知財訴訟は、2014年8月に米国を除いて全て取り下げられることになった。なぜ、今になって訴訟を取り下げたのか。なぜ、米国は除外されたのだろうか。これらの背景について知財専門家が読み解く。初回となる今回は、まず特許訴訟の経緯と争点について振り返る。
モノづくり企業が知財戦略に取り組む意味とは?
モノづくり企業の財産である独自技術を保護しつつ、技術を盛り込んだ製品、サービスの市場への影響力を高めるために重要となるのが知的財産(知財)だ。本連載では知財専門家である弁護士が、知財活用を前提とした経営戦略の構築を図るモノづくり企業に向けて、選ぶべき知財戦略を基礎から解説する。
知財係争訴訟への対応力強化、トヨタが10年以上の電子データ保全に乗り出す
日本マイクロソフトは2022年3月31日、Azureを基盤とする知財DXプラットフォーム「Proof Chain of Evidence」をトヨタ自動車とスタートアップ企業のScalarが構築したと発表した。技術情報に対する証拠力を高め、知財係争訴訟への対応力を強化する。
ヤマハ発動機が中国での模倣品販売阻止、表面実装機用フィーダー巡り訴訟
ヤマハ発動機は、中国における表面実装機の模倣品販売阻止に成功したと発表した。中国深センの事業者は、模倣品の販売を停止し、損害賠償金の支払いや在庫の破棄、謝罪広告の掲載などの条件にも合意した。
M&A前に必ず把握すべき、スタートアップが持つ知財や管理体制
本連載では大手企業とスタートアップのオープンイノベーションを数多く支援してきた弁護士が、スタートアップとのオープンイノベーションにおける取り組み方のポイントを紹介する。第14回はスタートアップのM&A時に確認すべき知財の管理体制などについて解説を行う。
自社開発品が特許侵害に?! 身近に潜む知財リスク
技術開発戦略には知財管理が必須。ロボットアーム工業に降りかかる災難を例に、まずは知財リスクの確認を。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.