また、がん経験者と経験者以外の双方に、「がんと仕事に関する意見」として自身の考えに近いものを選んでもらった。その結果、「がんになったら、治療に専念した方が良い」は、がん経験者が22.6%、がん経験者以外は27.7%だった。「がんになっても、治療と仕事を両立した方が良い」は、がん経験者が60.3%、がん経験者以外は39.9%だった。
続いて、がん経験者に、初めてがんと診断されたことを誰かに報告する際の懸念や心配について尋ねた。最も多かった回答は、「かわいそう、気の毒だと同情される」(50.2%)だった。
がんと診断されたことを報告、相談した際に上司が理解、支援してくれたか、また、それが働き方とどう関係したかについても調べた。「上司が理解、支援してくれた」場合は「これまで通り働いた」と61.4%が回答したのに対し、「上司が理解、支援してくれなかった」場合は「これまで通り働いた」が35.9%、「働くことをやめた」が31.3%となった。
がん経験者に、職場で受けた対応と受けてうれしかった対応について尋ねた質問では、「受けたことがある対応」のトップ3は「体調を気遣われた」(64.4%)、「無理をせず、治療に専念するようにと言われた」(50.2%)、「仕事を手伝ってもらった」(30.7%)だった。トップ3の対応は、どれも「うれしかった対応」では割合が減少しており、がん経験者にとって、受けた対応の全てがうれしいわけではないことがうかがえる。
今回の調査を通じて、がんと仕事に対するさまざまなアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)が示された。アンコンシャスバイアスに気付かないでいると、偏った判断、不適切な言動から、退職や経済的不安などの負の影響をもたらす場合がある。同研究所は、認知、判断、言動、結果のそれぞれの段階で対処することで、それらの負の影響を軽減できる可能性があるとしている。
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