CloudIntが「AI時代におけるエンジニアの意識とキャリアへの影響」に関する調査結果を発表した。回答者の約7割がAIに仕事を奪われる不安を感じている一方で、半数強がAIによって仕事の質が向上すると回答した。
Textradeが運営するWebメディア「CloudInt」は2025年11月6日、「AI時代におけるエンジニアの意識とキャリアへの影響」に関する調査結果を発表した。
同調査は同年10月20日〜21日にかけてオンラインで実施したもので、現役エンジニア1008人が回答している。
業務で最も利用されているAI(人工知能)は「ChatGPT」(56.0%)だった。次いで「Gemini」(27.1%)、「GitHub Copilot」(23.1%)となっている。
用途は「コーディングの補助」(45.3%)が最も多く、「ドキュメントの自動生成・要約」(42.9%)、「アイデア出し・技術調査の補助」(42.0%)と続く。AIが単なる効率化のツールにとどまらず、「思考のパートナー」として機能し始めている実態がうかがえる。
「AIに仕事を奪われると感じたことはありますか?」という質問には、22.7%が「とてもある」、43.5%が「ややある」と回答。合計で66.2%が不安を感じていることが判明した。AIの高速なコード生成やテスト自動化が不安の背景にある。
一方で、53.1%が「(将来、AIによって)より創造的な業務や設計・上流工程の重要性が増す」と回答。「多くの定型的なコーディング業務はAIに置き換わる」の44.2%を上回った。「エンジニアとAIの分業が進み、役割が変化する」は41.1%が回答している。
「AIを使える人と使えない人で将来のキャリアに差がつくと思いますか?」という質問には、38.2%が「非常に差がつくと思う」、52.6%が「ある程度差がつくと思う」と回答。合計すると90.8%となった。多くのエンジニアがAIの活用を必須と捉えていることがうかがえる。AIのメリットでは、「作業スピードの向上」(50.3%)、「ミスの低減・品質向上」(44.8%)、「アイデアの発想補助」(38.8%)などが挙がった。
AIに対する不安や懸念点としては、「情報漏えいなどセキュリティリスクがある」(36.1%)、「著作権やライセンスの問題」(35.2%)、「出力内容の正確性や信頼性に不安がある」(32.8%)が上位を占めた。また、AIを業務に使用する上での障壁は、「社内のルール・ガイドラインが整備されていない」(34.9%)、「出力内容の正確性や信頼性への疑問」(33.6%)、「情報漏えいなどセキュリティの不安」(30.3%)などの回答割合が高かった。
今後エンジニアとして身につけたいスキルは、「AIモデルの構造や仕組みの理解」(46.9%)が最多となった。次いで「自社業務へのAI導入・PoC企画力」(36.3%)、「プロンプトエンジニアリング」(33.2%)となっている。また、「AIの倫理・ガバナンスへの理解」(28.5%)も多く、技術と社会的責任の両立を目指す姿勢が見られる。
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