非線形の問題を解く際、どのひずみを使用するかでその手法が変わってきます。「Cauchy応力(真応力)」で記述されたCauchyの第1運動法則を解くものが「アップデートラグランジュ法」、2ndピオラキルヒホッフ応力で記述されたCauchyの第1運動法則を解くものが「トータルラグランジュ法」になります。どの手法で非線形の問題を解くかで、使用する応力とひずみの測度が決まっています。
トータルラグランジュ法では、ひずみはグリーンラグランジュひずみ、応力は2ndピオラキルヒホッフ応力が用いられ、アップデートラグランジュ法の定式化の場合には、ひずみは対数ひずみ(真ひずみ)、応力はCauchy応力(真応力)が使用されます。
解析ソフトを使用する観点から重要なのは、自分がどのような応力、あるいはひずみを使用しているのかです。ということで、非線形解析をやる上で必要な応力とひずみについて説明したいと思います。
参考までに、一般的に使用される材料力学の応力は「公称応力」というものになります。これは、微小変形、微小ひずみの問題、つまり線形問題で使用する応力で、1軸の問題であれば、荷重を最初の断面積で割ったものになります。定義は式5で表せます。
参考までに「公称ひずみ(工学ひずみ)」も示しておきます。こちらも公称応力と同様に、材料力学の本などに示されている私たちに一番なじみのあるひずみの測度になります。1軸問題では以下のようになります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
メカ設計の記事ランキング
よく読まれている編集記者コラム