2030年以降に機器/設備のIoT化がほぼ実現か、国内M2M市場予測発表:製造マネジメントニュース
矢野経済研究所は、国内外のM2M市場の調査結果を発表した。製造や工場ではIoT型遠隔監視の導入が進み、2025年以降は中堅、準大手メーカーへの浸透が見込まれ、2030年以降にほぼ全ての製造機器、設備のIoT化が実現すると予測する。
矢野経済研究所は2022年4月21日、国内外のM2M(Machine to Machine、機器間通信)市場の調査結果を発表した。2025年度には2910億円規模になると予測する。
国内M2M市場規模推移、予測[クリックで拡大] 出所:矢野経済研究所
2020年度の国内M2M市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比1.4%増と微増推移だった。2021年度は前年度比2.8%増の2190億円になる見込み。両年度とも、新型コロナウイルス感染症の影響から、人手不足や遠隔リモートなどに対する需要増が追い風となったが、新規受注が低迷するなどして微増にとどまった。
2022年度以降は、5G対応モジュールによる新たな需要喚起が期待される。また、大手通信キャリアが法人向けのIoT(モノのインターネット)、M2M志向を強めていることに加えて、MVNOへの参入促進と新サービス創出が奏功して、伸長率はやや鈍化するものの拡大基調は継続するとしている。
製造や工場では、エネルギー設備などでIoT型遠隔監視が導入されており、大型、高額な生産機器や設備での普及も開始している。工場の新設や設備更新時には、IoT機能を組み込んだ機器、設備を導入する動きも見られる。
そのため、2025年頃までは売上規模3000億円以上の大手メーカーが主導するが、以降は同500〜3000億円の中堅、準大手メーカーへの浸透が見込まれる。大手メーカーでの成功を前提とし、2030年以降にはほぼ全ての製造機器、設備のIoT化が実現すると予測。その結果、規模にかかわらず、ほとんどの製造業でIoT型遠隔監視システムの活用が可能になるとしている。
⇒その他の「製造マネジメントニュース」の記事はこちら
- 国内M2M市場、2019年度は前年度比4.5%増の2100億円
矢野経済研究所は、国内M2M市場の調査結果を発表した。2019年度の国内M2M市場は2100億円で、対前年度比4.5%増。2020年度のM2M市場は、コロナ禍もあり、前年度比1.0%増の2120億円にとどまると予想する。
- いまさら聞けない「エッジコンピューティング」
IoT活用やCPS進展の中で、あらためて脚光を浴びている「エッジコンピューティング」。このエッジコンピューティングはどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。
- IoTの基礎と現状
「IoT時代」「IoT化」「IoTブーム」など、世の中にはIoTという言葉が溢れています。IT業界でこの言葉の意味を知らない方はいないと思いますが、実際はどれくらいの方々がIoTに直接携わっているのでしょうか。
- 5分で分かる産業分野向けIoT「IIoT」とは
IoT時代を迎えて製造業のためのITツールもその役割を変えつつある。本連載では、製造ITツールのカテゴリーごとに焦点を当て、今までの役割に対して、これからの役割がどうなっていくかを解説する。最終回の第6回は産業分野向けIoTである「IIoT」だ。
- 国内IoT市場は2021年に11兆円へ、けん引役は「IoT Enabled」ソリューション
IDC Japanは、国内IoT(モノのインターネット)市場(支出額)のテクノロジー別予測を発表した。国内IoT市場全体としては、2016年の約5兆円から年平均17%で成長し、2021年には11兆円に達する見込み。けん引役は、IoTによって新たに可能になるサービス、『IoT Enabled』ソリューションである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.