矢野経済研究所は、国内M2M市場の調査結果を発表した。2019年度の国内M2M市場は2100億円で、対前年度比4.5%増。2020年度のM2M市場は、コロナ禍もあり、前年度比1.0%増の2120億円にとどまると予想する。
矢野経済研究所は2021年1月7日、国内M2M(機器間通信)市場(事業者売上高ベース)の調査結果を発表した。2019年度の国内M2M市場は2100億円で、対前年度比4.5%増となっている。
本調査では、主に携帯電話、PHS通信規格に準じた通信モジュールを内蔵した機器、デバイス間で情報をやりとりするM2Mを対象とし、ネットワークを用いたシステム構築やプラットフォームの利用などの動向を調べた。調査期間は2020年9〜12月で、通信キャリアおよびMVNO、ITベンダー、SIer(システムインテグレーター)、プラットフォームベンダーなどを調査対象とした。
2020年1〜3月期は、新型コロナウイルスの影響でペンディングや延期になった既存案件もあったが、通年では人手不足への対応やリモート志向の高まりもあり、市場は拡大基調を維持した。
2020年度上期はコロナ禍により新規受注が減少し、LTE対応の通信モジュール需要も一巡したため、市場の成長率は鈍化しており、2020年度のM2M市場は前年度比1.0%増の2120億円にとどまると予想している。
ただし、2020年度以降は、産業分野を中心に5G通信ベースのIoT(モノのインターネット)ソリューションの導入が始まり、リモート志向も継続することから、2020年度下期からは新規受注も戻り、プラス成長は維持する見込み。2021年度以降も同様で、市場の拡大基調は続くとしている。
また、将来展望として、2025年度以降は、順調に5G開発が進めばモバイル5Gやローカル5G型のIoTソリューションの導入も進み、2030年に向けて「IoT×5G」を活用したソリューションが産業分野で拡大すると見込んでいる。
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