「IoT時代」「IoT化」「IoTブーム」など、世の中にはIoTという言葉が溢れています。IT業界でこの言葉の意味を知らない方はいないと思いますが、実際はどれくらいの方々がIoTに直接携わっているのでしょうか。
「IoT時代」「IoT化」「IoTブーム」など、世の中にはIoTという言葉が溢れています。IT業界でこの言葉の意味を知らない方はいないと思いますが、実際はどれくらいの方々がIoTに直接携わっているのでしょうか。
テクノロジーの進化する速度が早過ぎて、つい最近まで「サーバの運用を約10年やってきた」「ソフトウェアの開発を長年やっている」といった方が、気付けばIoTをはじめAIやビッグデータ、RPAなどの急速な普及についていけなくなっている……といったお話もしばしば耳にします。
そこでこの連載ではIoTをあらためて知り、その導入を実現させるための考え方を身につけてイノベーションを起こすことまでを目指して話を進めていきます。IoTについて、何も難しく考える必要はありません。連載を全て読み終わる頃には、あなたもIoTを問題解決の一手段として活用するイノベーターになっているはずです!
そのために、第1回は基礎として、IoTとは何かについておさらいしたいと思います。人によっては「そんなこともう知っている」と思われるかもしれませんが、今はその理解の幅が個人によって大きく異なりますので、まずはお付き合いください。
IoT−「Internet of Things」は、ありとあらゆる「モノ」がインターネットにつながることを意味しています。
イメージしやすいのは、よく耳にする「ネット家電」ですね。家電をインターネットにつなぐことで、自宅以外の場所から遠隔操作できたり、スマートフォンでタクシーを配車したり、といったものは皆さんの身近にある事例ではないでしょうか。
他にも公共トイレの空き状況が分かるようになったり、ドアの開閉で人の導線が明らかになったりと、ありとあらゆるモノがインターネットにつながるようになってきました。つまり、家電やカメラのような限られた電子機器だけでなく、あらゆるモノがインターネットとつながる対象となっているのです。
しかしこれらはあくまでIoTの入り口にすぎません。本当のIoTが目指すものは、インターネットにつながることで膨大な情報を獲得し、それらを解析するとともにAIを介してさまざまな目的に活用することなのです。
このため、情報を獲得するためのセンサーが重要と言えます。皆さんはセンサーと聞くとカメラなどを想像するかと思いますが、IoTにおいては人間の五感にあたる視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚も貴重な情報となりますので、用途に応じた数多くのセンサーが世の中には存在しています。
例えば自動運転技術ですが、実際に事故なく安全な運転が自動的に行えるよう、自動車周囲の映像やハンドル操作、ブレーキのタイミングなどの無数のデータが運転者から取り込まれ、事故を回避するためのパターン情報などに加工されるとともに、それらと運転中のリアルタイムの情報をAIで判断・応用して自動運転を行います。現時点ではこのレベルにまでは到達していませんが、そう遠くない未来に実現されるようになるでしょう。さらには運転で得られる情報は、自動運転以外の場面でも活用されることになるはずです。
1つの情報から多様なイノベーションを生む、その部分については次回、詳しくお話します。
2000年にVSNに入社。インフラエンジニアとしていくつものプロジェクトに参画。VSNの“派遣エンジニアがお客さまの問題を発見し、解決する”サービス、「バリューチェーン・イノベーター(以下、VI)」の構想メンバーであり、一流コンサルタントより問題解決手法の教示を受け、多くの問題解決事案に携わる。派遣会社でありながら、担当した事案には、数億円規模の売り上げ向上につながった例も。
現在は、同社「経営イノベーション本部」にて今後の事業の根幹を担うVIをさらに加速させるべく、事業計画の立案や浸透・推進を行う。
株式会社VSN https://www.vsn.co.jp/
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