島津製作所は、画像処理エンジンにAIを搭載した、血管撮影システム「Trinias」の最上位機種を発売した。ディープラーニング技術を利用した画像処理技術などにより、透視によるX線被ばく量を40%以上削減した。
島津製作所は2022年4月11日、画像処理エンジンにAI(人工知能)を搭載した、血管撮影システム「Trinias(トリニアス)」の最上位機種を国内で発売した。同月下旬には、海外への展開も予定している。
血管撮影システムは、X線の照射により血管のリアルタイム透視画像(動画)を取得できるため、血管造影検査やカテーテル治療に使用される。昨今は被ばく低減のために低線量運用が進められているが、低線量下ではX線ノイズによりデバイスの視認性が低下するという課題があった。
同製品には、AIのディープラーニング技術を利用し、低線量下でも安全にカテーテル治療が可能な画像処理技術「SCORE Opera(スコアオペラ)」を搭載する。併せて、X線照射条件を最適化することで、透視によるX線被ばく量を40%以上削減した。
それぞれの医療現場で効率的に利用できるよう、カスタマイズ機能を強化。タッチパネルの操作は、医師や診療科ごとなど、約100種類の機能から24種類まで設定可能だ。また、統合モニターソリューション「SMART Display」は、手技や治療内容に適した画像情報表示を選択するなど、自在にカスタマイズできる。
価格は3億4000万円(税別)。年間契約のサブスクリプションサービス「SCORE Link」も提供する。ソフトウェアを定期的にアップデート可能で、装置導入後も、最新ソフトウェアを利用した検査や治療に対応できる。
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