花王は、独自開発した肌評価AI「Kirei肌AI」の機能を拡張し、肌内部の状態まで推定できるようにした。評価項目は従来の約5倍となる77項目に増加し、化粧品開発のDXを加速する。
花王は2025年11月4日、顔画像から肌の特徴を高精度に推定する独自AI(人工知能)「Kirei肌AI」の機能を拡張し、従来は専用機器でしか測定できなかった肌内部の状態評価を可能にしたと発表した。新モデルでは、AIが水分量やコラーゲン密度などの要素を推定し、計77項目の肌状態を網羅的に分析できる。
学習データの拡充により、ほうれい線や目尻などの部位別の変化や、水分量、セラミド組成、コラーゲン密度などを解析対象に追加した。20〜80代の男女293人の顔画像を元にした部位別画像約7万枚を活用し、複数の機械学習モデルを再構築した。
新しいKirei肌AIは、25の機械学習モデルを搭載し、肌表面の見た目から内部まで77項目の肌状態を評価、推定する。顔画像1枚当たりの解析時間は10分以下と高速だ。
過去に取得した顔画像データの再解析も可能となり、水分量や皮脂量、ハリなどの肌状態とメイク仕上がりとの関係を定量化できる。「ハリのない肌ではメイク後にシワが目立ちやすい」といった傾向も、改めて可視化した。
花王は今回の研究成果により、データ起点の新たなモノづくりで化粧品開発のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速するとしている。今後は、人の目や精密機器と同等以上の評価精度を目指し、Kirei肌AIの評価項目の拡張と精度向上を継続する方針だ。
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