「クルマのよりよい作り方を追求できる」という強み:自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)
新しいものは無条件に誰もが歓迎できるとは限りません。トヨタ自動車が静岡県裾野市で建設中の「ウーブンシティー」に関する地元向けの説明会を見ていて、そんな風に感じました。裾野市が主催した地元向けの説明会が紛糾したというわけではありません。
ただ、マスコミからの質問の中に「治安悪化への懸念」という言葉がありました。実際に裾野市民がそうした懸念の声を上げているのかは分かりませんが、マスコミはその可能性を想定しているからわざわざ質問するのでしょう。
何か新しいことをやる施設ができれば、それを目的にいろいろな人が集まります。新しいお店など自分にも関係のある施設であれば楽しみかもしれませんが、自分に関係のない派手な施設というのは警戒したい気持ちが出るのかもしれません。関係者が限定される施設に行政が前のめりだと、よく思えない人が出てきても仕方がないとも思います。
スマートシティーのプロジェクトがデータの取り扱いでつまずく例はありましたが、地元住民の共感が得られないことで頓挫するとすれば残念でもったいないことです。自動運転技術や電動化技術もユーザーから理解を得るのは簡単ではないのかもしれませんが、好んで買うクルマと違って、都市計画は街に住む人全てに影響を与えます。新技術満載のクルマ以上に丁寧な説明やメリットの提案が求められそうですが、なるべく多くの人が完成を楽しみにしてくれるようなプロジェクトになってほしいですね。
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- 課題山積の二輪車の電動化、ホンダはどう取り組むのか
「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」では、電動化に関するさまざまな提案が行われた。同時開催の新車開発講演でも、ホンダが「電動二輪車の普及に向けた取り組み」を紹介。
- 燃費が良好な二輪車にも電動化は必要か、日本の電池のサプライチェーンの課題は
国土交通省と経済産業省は2021年4月16日、「カーボンニュートラルに向けた自動車政策検討会」の第3回の会合を開催した。同検討会は、2030年代半ばまでに乗用車の新車販売を電動車のみとするなどの目標が盛り込まれた「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の実現に向けて、自動車分野での取り組みを検討している。毎回、関係する業界からヒアリングを行っており、今回は日本中古自動車販売協会連合会、日本自動車輸入組合、全国オートバイ協同組合連合会、全国レンタカー協会、日本物流団体連合会、日本自動車連盟、電池サプライチェーン協議会が出席した。
- 公差で逃げるな、マツダ「SKYACTIV-X」がこだわる精度と品質
マツダが新開発のSKYACTIV-Xにおいて重視したのは、部品の高精度な加工によって誤差の許容範囲を狭めたばらつきのないエンジン生産と、SPCCI(火花点火制御式圧縮着火)の機能の品質を、エンジンを組み上げた状態で抜き取りではなく全数で保証する評価技術だ。SKYACTIV-Xの生産ラインの取り組みを紹介する。
- 日産が金型なしでボディーパネルを生産、表面はそのまま塗装できる仕上がり
日産自動車は2019年10月2日、同社追浜工場(神奈川県横須賀市)で記者説明会を開き、金型を使用しない金属部品の成形技術を発表した。
- 燃費と出力を両立する可変圧縮エンジン、日産が開発秘話語る
「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)では、話題の新型車開発の舞台裏を語る「新車開発講演」が行われた。この中で取り上げられたのが、量産エンジンとしては「世界初」(日産自動車)となる日産自動車の可変圧縮比(VCR、Variable Compression Ratio)エンジンだ。日産自動車 パワートレイン・EV開発本部 アライアンス パワートレイン エンジニアリング ダイレクターの木賀新一氏が、VCRエンジンと、これを搭載する「アルティマ」の最新モデルに関する開発秘話を語った。
- 日産はe-POWERの燃費を25%改善へ、発電用エンジンの熱効率50%で実現
日産自動車は2021年2月26日、シリーズハイブリッドシステム「e-POWER」の次世代版向けに、発電専用エンジンで熱効率50%を実現する技術を開発したと発表した。リーンバーンを実現する新しい燃焼コンセプトの採用や排熱回収、エンジンを完全に定点運転とすることが可能なバッテリー技術を総合的に組み合わせることにより、熱効率50%を達成する。
- 日産が新車生産で発生したアルミ端材をリサイクル、新車向けの部材で再出荷へ
日産自動車は2021年1月22日、グローバルモデルでアルミニウム製部品のクローズドループリサイクルプロセスを初めて適用すると発表した。同プロセスは、生産時に発生した廃棄物やスクラップ、回収した自社の使用済み製品を、品質を維持した材料として再生し、自社製品の部品に採用する手法だ。
- 縦置き直6サイコー!? シリンダ(気筒)の基本
直列4気筒やV型6気筒のメリットは、どんなことだろうか。またBMWがあえて、直列6気筒にこだわってきた理由とは?
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