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日産自動車は2024年度の決算を発表した。

» 2025年05月14日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 日産自動車は2025年5月13日、2024年度(2025年3月期)の決算を発表した。売上高は前年度比0.4%減の12兆6332億円、営業利益が同87.7%減の697億円、当期純損益が6708億円の赤字(前年度は4266億円の黒字)となった。小売販売台数は同2.8%減の334.6万台。中国が同12.2%減とマイナスだった。中国以外の地域は、日欧などの落ち込みを北米がカバーして前年度並みだった。

2024年度の財務実績[クリックで拡大] 出所:日産自動車

 前年度と比べた営業利益の増減を見ると、台数構成や販売費用など販売面で2999億円、インフレの影響で1060億円、販売金融やリマーケティングなどで1351億円といった減益要因が大きかった。また、事業用資産や遊休資産、処分予定資産の減損損失や、600億円のリストラ費用を計上したことで特別損益が6328億円の損失となり、当期純損益に大きなマイナス要因となった。

2024年度の販売実績[クリックで拡大] 出所:日産自動車
2024年度の営業利益増減要因[クリックで拡大] 出所:日産自動車

 2025年度(2026年3月期)の業績見通しは売上高のみを発表した。前年度比0.1%減の12兆5000億円を見込む。営業利益や当期純損益の見通しは、米国の関税政策の影響が不透明であることから合理的に算定することが難しいとして未定にした。

 2025年度の小売販売台数や生産台数は米国の関税の影響を除いた見通しを示した。小売販売台数は前年度比2.9%減の325万台、生産台数は同3.3%減の300万台とした。米国の関税以外の営業利益の増減要因としては、為替が1200億円、インフレ影響が1450億円で大きなマイナスとなるが、販売や生産に関わるコストを大幅に改善させる計画だ。関税の影響がなければ収益は損益分岐点で着地すると見込む。

2025年度の営業利益増減要因の見通し。関税影響は除く[クリックで拡大] 出所:日産自動車

 現時点で試算した米国の関税の影響額は、軽減対策を行わなければ2025年度に最大で4500億円となる見通しだ。「ヴァーサ」「セントラ」「キックス」「QX50」「QX55」といったメキシコから輸出する30万台、日本から輸出する「アリア」「アルマーダ」「リーフ」「QX80」「ローグ」「Z」の合計12万台が関税の影響を受ける。

 影響を軽減するため、米国生産モデルの販売を強化する他、関税の影響を受ける製品を他市場で販売することや米国内でのさらなる現地化を検討するとしている。

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