フィリピンの非電化地域に3Dピコ水力発電システムを、製造に3Dプリンタ活用:3Dプリンタニュース
リコーは、社内チームが提案した「フィリピン共和国での3Dピコ水力発電による働く現場のDX支援事業案件化調査」が、JICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業に採択されたと発表した。フィリピンの非電化地域で働く現場のデジタル化を目指す。
リコーは2021年6月8日、同社が提案した「フィリピン共和国での3Dピコ水力発電による働く現場のDX支援事業案件化調査」が、国際協力機構(JICA)の2020年度第二回「中小企業・SDGsビジネス支援事業」(SDGsビジネス支援型)に採択されたと発表した。フィリピンの非電化地域で働く現場のデジタル化を目指す。
同調査は、リコーの社内チーム「WEeeT-CAM(ウィットカム)」が、新規事業創出に向けたアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」において提案したもの。中小企業・SDGsビジネス支援事業は、中小企業支援型とSDGsビジネス支援型の2種類あり、同社の提案はSDGsビジネス支援型として採択された。
フィリピンの都市郊外、農村部などの一部地域では、電力が十分に供給されず、貧困や教育へのアクセスが改善課題となっている。特に、農家の貧困率が31.6%(フィリピン国家統計局2018年)と高く、生産性の低さによる貧困の連鎖が問題になっていた。
同社はJICAの支援を受け、フィリピンの社会状況やデジタル環境を調査し、パートナー企業、NGOなどと連携しながら、地域に受け入れられるソリューションのビジネスモデル策定を目指していく。
具体的には、フィリピンの非電化、電力不十分地域で、3Dプリンタによる独自形状の羽を用いた小水力発電(3Dピコ水力発電)システムで電力を供給する。これにより、農業や教育に従事する人々に対して、デジタルを活用した働き方を推進するパッケージをワンストップで提供する。
フィリピンの農業用水路での小水力発電の様子 出典:リコー
また、3Dピコ水力発電システムで安定的に電力を供給することに加え、インターネットなどのインフラ機材や業務の効率化ソリューションなどをトータルでパッケージ化して提供、保守し、デジタル化による現場の働き方変革を目指す。教育現場には、プロジェクターや母語を用いたデジタル教材を提供し、子どもの学習意欲の向上をサポートしていく。
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