自動車技術会は2021年5月17日、「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」の開催概要を発表した。オンラインでの開催は初となる。
自動車技術会は2021年5月17日、「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」の開催概要を発表した。オンラインでの開催は初となる。出典企業数は447社で、会期は5月26日から7月30日まで。入場料は無料だが登録が必要だ。併催する春季大会も、学術講演会や学生ポスターセッションをオンラインで開催する。
当初の予定では、会場を使った展示会とオンラインのハイブリッドで開催する予定だったが、横浜市の会場を使った展示会が中止となり、オンラインのみでの開催となった。人とくるまのテクノロジー展2021オンラインはこれまでの同展示会と同様に企業や団体が展示を行う他、自動車技術会の企画による展示、新車の開発者による講演、出展者が製品や技術を紹介するワークショップや技術ブリーフィングなどを予定している。来場者は問い合わせフォームを通じて出展者に連絡を取り、調整の上でオンラインミーティングを行うこともできる。従来のようなコミュニケーションも図れるようにした。
主催者企画展示では、社会情勢の変化、2050年のエネルギー社会とモビリティなどをテーマに、その中で自動車技術が果たす役割やインフラ技術、ITとの連携などについて取り上げる。トヨタ自動車や日野自動車の他、アイシン、CHAdeMO協議会、古河電気工業、再生可能エネルギーを利用した水素製造拠点を持つ福島県浪江町などが参加する。主催者企画講演や新車開発講演は、実際の会場で予定していたプログラムをオンデマンド配信する。
また、自動車技術会が主催している学生フォーミュラ日本大会に関する展示では、同大会の会場をバーチャルに再現したシミュレーターを紹介する。学生フォーミュラOBが制作したシミュレーターで、GitHubでも公開している(※)。
(※)https://github.com/JSAE-ARCHIVES/FSAEJ-simulator
自動車技術会 会長の寺師茂樹氏(トヨタ自動車)は「エンジニアには好奇心が不可欠だ。オンラインであっても、知りたいという気持ちを満たせるような場にしたいと企画した。今後、さまざまな技術に興味を持たなければ自分たちの技術の成長が図れなくなる。今後の自動車は、生活や利便性を中心にした技術の集合体となり、自動車業界の中だけの技術ではやっていけない。どんな技術を集めて自由な移動とカーボンニュートラルを両立するか、複数の分野での連携が必要だ」とコメントを寄せた。
今後、感染症対策が不要になり、会場での展示会開催が可能になった後も、オンライン開催は継続する方針だ。オンライン開催によって、授業で日中の時間を確保できない学生や、参加が難しい遠方の在住者が参加しやすくなるとしている。
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