自動化に容易に対応、同時5軸制御横形マシニングセンタの最上位機種を発表FAニュース

キタムラ機械は、同時5軸制御横形マシニングセンタ「SUPERCELL-800G」を発売した。独自の5軸原点共有構造や拡張機能により自動化に対応しやすく、高機能の駆動軸と回転軸が優れた位置決めや割り出し精度を発揮する。

» 2021年04月22日 07時00分 公開
[MONOist]

 キタムラ機械は2021年4月6日、同時5軸制御横形マシニングセンタ「SUPERCELL-800G」を発売した。同シリーズの「SUPERCELL-300G」「SUPERCELL-400G」に続く、最上位機種となる。

キャプション 同時5軸制御横形マシニングセンタ「SUPERCELL-800G」(クリックで拡大) 出典:キタムラ機械

 SUPERCELL-800Gの最大の特徴は、傾斜軸中心と回転軸テーブルの上面が直線上に配置された5軸原点共有構造だ。パレットや工具を交換する際の、工具長補正など各種補正値の変更が不要なため、自動化しやすく、加工時間の短縮や生産性の向上が図れる。

 設備の新設時に加え、機械の納入後や稼働後でも、21パレット仕様などのFMS対応や工具マガジンの拡張が可能で、生産状況の変化に応じて完全無人化対応システムを構築できる。

キャプション 21面パレット仕様(クリックで拡大) 出典:キタムラ機械

 両端支持のトラニオンテーブル構造は追従性と加工面の品質に優れ、その高い剛性と主軸剛性により、切削能力が従来比で60%向上している。また、130回転/分の回転軸(B軸)は旋削加工が可能で、これにより工程が集約され生産性が高まる。

 全駆動軸には独自のツインボールネジ、ツインサーボモーター同期制御を採用し、軸心冷却と高分解能光学式スケールフィードバックを標準装備する。位置決め精度はフルストロークで±0.002mm。回転軸は1/1000度の割り出しが可能で、割り出し精度±2秒の高精度加工に対応する。

 CNC装置は、アイコンでの制御が可能な独自開発の「Arumatik-Mi」を搭載。作業者を顔認証で識別し、作業者ごとに操作制限をかけられる個人認証システムも搭載できる。これにより、作業者の熟練度の差から生じる稼働率のばらつき、操作ミスによる機械停止を防ぎ、作業負担を軽減する。

 パレットサイズは630×630mm、最大ワークサイズ(直径×高さ)は900×700mm、最大積載重量は1200Kg。主軸回転速度は2万回転/分、工具収納本数は122本となっている。

 同社は、主に航空機、半導体製造装置、電力、エネルギー関連分野において、SUPERCELL-800Gの導入を目指す。

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