そのままでは使えない!? 3Dスキャン後に必要となるデータ処理:デジファブ技術を設計業務でどう生かす?(10)(3/3 ページ)
前々回の記事では「3Dスキャナー活用で設計力の向上、設計者の“働き方改革”を実現する」というテーマで、3Dスキャナーの活用方法について紹介しましたが、今回の内容で、より具体的な作業をイメージできるようになったのではないでしょうか。この後の活用方法として、検査やリバースエンジニアリングなどがあります。こちらについては今後の連載の中で説明していきたいと思います。
さて、今回紹介した処理以外にも、メッシュデータを扱うソフトの中には、さまざまな機能が搭載されているものもあります。「ポリゴンモデラー」と呼ばれるCG系ソフトなど、有機的な形状を作成するのが得意なものもあるので、いろいろと調べてみてください。
最近では、3D CADソフトの中でメッシュデータを処理し、取り扱うことができるものも増えています。3D CAD上でCGのような有機的な形状が作りやすくなってきている傾向にあります。今後、3D CADソフトを導入する際は、メッシュデータの取り扱いについても調べておくといいかもしれません。
また、スマートフォン端末でも、3Dスキャンしてメッシュデータ化できるものが登場しています。まだ精度的にはメカ設計業務で使えるレベルではありませんが、今後、3Dスキャンがより身近になっていき、メッシュデータを扱う機会も増えてくるかもしれません。
筆者は、3Dスキャンがより身近になり、一般の人がカメラで写真を撮るような感覚で3Dスキャンする時代が直ぐそこまで来ているのではないかと思っています。そんなすごく楽しい未来を想像しています。本連載をきっかけに、今から3Dスキャンに触れ、未来のモノづくりへの第一歩を踏み出してみませんか。 (次回へ続く)
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小原照記(おばら てるき)
いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事に対し、デジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。
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