シャープがキューブ型AGVを披露、最小道幅600mmを走行できるリテールテックJAPAN 2021

シャープは、「リテールテックJAPAN 2021」において、小回りがきくとともに小型であることが特徴のCUBE型AGV(無人搬送車)を披露した。工場の表面実装(SMT)ラインや人手による組み立てラインの他、飲食店客席への配膳、倉庫のキッティング用途などに向けて提案する。

» 2021年03月10日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
シャープが展示したCUBE型AGV シャープが展示したCUBE型AGV(クリックで拡大)

 シャープは、「リテールテックJAPAN 2021」(2021年3月9〜12日、東京ビッグサイト)において、小回りがきくとともに小型であることが特徴のCUBE型AGV(無人搬送車)を披露した。工場の表面実装(SMT)ラインや人手による組み立てラインの他、飲食店客席への配膳、倉庫のキッティング用途などに向けて提案する。

 CUBE型AGVの外形寸法は幅400×奥行き400×高さ460mmで、名称通りほぼ立方体形状となっている。積載許容荷重は100kgで、コンベヤーやラック台、配膳棚など用途に応じた上物を取り付けられる。

 移動方式については、同社が展開している他のAGVのラインアップと同様に、対角に設置した2個のLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)センサーを用いたガイドレス(無軌道)走行と、磁気テープに沿って走行する有軌道走行の2タイプを現場に合わせて選べる。有軌道走行の場合には、最小道幅600mmでの走行が行える。また、搭載したリチウムイオン電池への自動充電による連続稼働も可能だ。

CUBE型AGVの概要 CUBE型AGVの概要(クリックで拡大) 出典:シャープ

 展示では、小売店舗のバックヤードでのキッティングをイメージした走行デモを行った。バックヤードの各棚前を回るときはLiDARを使ったガイドレス走行、ワイヤレス充電ステーションに戻る際には磁気テープを使った有軌道走行を行うハイブリッド方式である。「位置合わせの精度が重要になるワイヤレス充電のために、±5mmの精度で停止できる有軌道走行を用いている」(シャープの説明員)という。

CUBE型AGVの走行する様子。ガイドレスと有軌道のハイブリッド走行を行っている(クリックで再生)

 シャープのAGV事業は2017年にスタートしており、トラスコ中山の工場、ムトウ物流の物流倉庫、がんこフードサービスの飲食店店舗などさまざまな用途に採用されている。また、複数台のAGVを工場や倉庫の設備と連携制御するための集中制御システム「AOS(AGV Operating System)テクノロジー」なども高い評価を得ているという。

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