三菱電機と東京工業大学は、金属表面の微小な変形から内部の亀裂を10%以内の誤差で推定するAIを開発した。超音波探傷検査の約6分の1の時間で非破壊検査が可能で、発電機などの電力機器の保守点検に活用できる。
三菱電機は2021年1月20日、金属表面の微小な変形から、内部の亀裂を10%以内の誤差で推定するAI(人工知能)を開発したと発表した。東京工業大学との共同研究による成果だ。
今回開発したAIは、電力機器の使用開始時と点検時に撮影した金属表面の画像から、表面の変形分布を計測し、内部の亀裂の位置や大きさを推定する。
超音波探傷検査と同等の誤差10%以内で推定でき、電力機器の表面を撮影するだけで容易に非破壊検査が可能だ。これにより、検査時間を超音波探傷検査の約6分の1に短縮する。
また、発電機などの電力機器の保守点検には熟練作業者の技術が必要だが、同技術はその代替となり得るため、人材不足の課題解決にも貢献する。
三菱電機は今後、同技術を同社AI技術「Maisart(マイサート)」の1つとして、電力機器の予防保全ソリューションに取り入れる予定だ。
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