三菱電機は、東京都内で開催した研究開発成果披露会において、スマート生産分野で適用可能な新たなAI(人工知能)技術として「段階的に素早く学ぶAI」と「人のわずかな動作の違いも見つける行動分析AI」を披露した。
三菱電機は、東京都内で2019年2月13日に開催した研究開発成果披露会において、スマート生産分野で適用可能な新たなAI(人工知能)技術として「段階的に素早く学ぶAI」と「人のわずかな動作の違いも見つける行動分析AI」を披露した。今後社内での実証実験などを経て実用化につなげていく方針。
段階的に素早く学ぶAIは、同社のAI技術「Maisart」の1つである強化学習をさらに進化させたもので、学習内容を段階的に自動で追加していくことにより、シミュレーターを用いて効率よく短時間で学習を完了させられる。
展示では、産業用ロボットを用いたコネクター部品をピックアップし、プリント基板側のコネクターはめ込む作業を事例に、AIの導入による効果を説明した。1つは、学習時間を短時間で済ませられることだ。段階的に素早く学ぶAIでは、第1段階としてコネクター部品をピックアップするスタートから、プリント基板側のコネクターはめ込むまでの経路情報の生成を行う。次の第2段階では、第1段階で学習した経路に近く短時間で動作を完了できるような学習をシミュレーターを用いて行う。従来、人手による産業用ロボットへのティーチングだと15時間ほどかかっていたが、段階的に素早く学ぶAIを使うことで学習時間は10分の1の1.5時間で済んだという。
なお、産業用ロボットによる同作業のタクトタイムは、第1段階は1秒かかっていたが、第2段階をへた後は0.44秒に短縮できている。「このタクトタイムは熟練者が時間をかけてティーチングするのとほぼ同じだ」(三菱電機の説明員)という。
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