SLAに近い造形精度を実現、FDM方式3Dプリンタ用精密ノズル:3Dプリンタニュース
テクダイヤは、3Dプリンタ用の精密ノズル「kaika」の一般販売をオンラインショップで開始した。熱溶解積層方式で光造形方式に近づく精度を可能にした。
テクダイヤは2021年1月12日、3Dプリンタ用の精密ノズル「kaika(かいか)」の一般販売をオンラインショップで開始した。熱溶解積層(FDM)方式で光造形(SLA)方式に近づく精度を可能にした。価格は単品で4000円から、パック売りで1万9500円からとなる。
3Dプリンタ用精密ノズル「kaika」(クリックで拡大) 出典:テクダイヤ
内部形状に段差のないテーパー形状を採用し、フィラメントのスムーズな押し出しに対応する。接合部のC面排除により、装置側スロートとの不要な隙間をなくし、フィラメントの蓄積や滞留を予防する。
内部形状(クリックで拡大) 出典:テクダイヤ
接合部のC面排除(クリックで拡大) 出典:テクダイヤ
ノズル先端部の内外径差の端面面積をベスト値に設定しており、細部への吐出と同時にアイロニングに適した外形寸法とした。ノズル内部は、加工中に生じる傷や凸凹を研磨し、表面の粗さを抑えて材料の流動性を高め、狙い通りの印刷を可能にした。
ノズル先端部の内外径(クリックで拡大) 出典:テクダイヤ
ノズル断面での先端部の比較(クリックで拡大) 出典:テクダイヤ
また、シリアル番号を全てのノズルに刻印。異常時の検知と改良に役立てることができる。外径斜面120度の「kaika6」シリーズ、外径斜面80度の「kaika7」「kaika8」シリーズを展開し、それぞれ穴径0.1mmおよび0.4mmを用意する。
⇒ その他の「3Dプリンタ」関連ニュースはこちら
- さらなる微細造形の実現に向けて共同開発した3Dプリンタ用ノズル
テクダイヤは、さらなる微細造形を求める声に応えるべく、久宝金属製作所と共同で先端穴径0.1mmの3Dプリンタ用ノズルを開発したことを発表した。
- 先端内径150μm、詰まりの低減と精密な3Dプリントを両立するヘッドノズル
テクダイヤは、従来より精密な造形を可能にするFDM方式の3Dプリンタ用ヘッドノズルを発表した。素材に熱伝導率の高い真ちゅうを使い、内部に段差のないテーパー形状を適用することで、材料詰まりの低減と精密な3Dプリンティングの両立が可能となった。
- コロナ禍で生まれた3Dプリンタ活用の流れが、デジタル製造を加速
コロナ禍で、あらためてその価値が再認識された3Dプリンティング/アディティブマニュファクチャリング。ニューノーマルの時代に向け、部品調達先や生産拠点の分散化の流れが加速していく中、サプライチェーンに回復力と柔軟性をもたらす存在として、その活用に大きな期待が寄せられている。2021年以降その動きはさらに加速し、産業界におけるデジタル製造の発展を後押ししていくとみられる。
- 3Dプリンタの可能性を引き上げる材料×構造、メカニカル・メタマテリアルに注目
単なる試作やパーツ製作の範囲を超えたさらなる3Dプリンタ活用のためには、「造形方式」「材料」「構造」の3つの進化が不可欠。これら要素が掛け合わさることで、一体どのようなことが実現可能となるのか。本稿では“材料×構造”の視点から、2020年以降で見えてくるであろう景色を想像してみたい。
- いまさら聞けない 3Dプリンタ入門
「3Dプリンタ」とは何ですか? と人にたずねられたとき、あなたは正しく説明できますか。本稿では、今話題の3Dプリンタについて、誕生の歴史から、種類や方式、取り巻く環境、将来性などを分かりやすく解説します。
- 「単なる試作機器や製造設備で終わらせないためには?」――今、求められる3Dプリンタの真価と進化
作られるモノ(対象)のイメージを変えないまま、従来通り、試作機器や製造設備として使っているだけでは、3Dプリンタの可能性はこれ以上広がらない。特に“カタチ”のプリントだけでなく、ITとも連動する“機能”のプリントへ歩みを進めなければ先はない。3Dプリンタブームが落ち着きを見せ、一般消費者も過度な期待から冷静な目で今後の動向を見守っている。こうした現状の中、慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の田中浩也氏は、3Dプリンタ/3Dデータの新たな利活用に向けた、次なる取り組みを着々と始めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.