オカムラは、同社の物流倉庫向け自律移動ロボット「ORV」を使った実証実験を、ビーイングホールディングスと共同で開始した。ORVは細かな動作や障害物回避が可能で、省力化に対応する他、既存の設備を大幅に変更することなく導入できる。
オカムラは2020年12月24日、同社の物流倉庫向け自律移動ロボット「ORV(Okamura Robot Vehicle)」を使った実証実験を、ビーイングホールディングスと共同で開始したと発表した。ORVカゴ車搬送タイプの実用化に向けた取り組みで、2021年6月の実運用を目指す。
ORVは、周囲の環境を把握するセンサーと、周辺地図を作成して自己位置を推定するSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を搭載。運ぶカゴ車をAI(人工知能)で自動認識し、目的地まで障害物を避けながら搬送する。
搬送は、従来のけん引方式ではなく、カゴ車の片側をつかみ上げる片持ち方式を採用することで、カゴ車を保持したままその場で旋回するといった細かな動作ができる。
また、一般的なAGV(無人搬送車)の課題となっていた、マーキングした走行軌道を変更する際の手間、障害物が避けられないことなどをクリアしており、省力化に対応。設備変更のための大きな追加投資をすることなく導入できる。
ロジスティクスサービスを提供するビーイングホールディングスは、事業拡大に向けて庫内作業の自動化や省力化を進めている。今回、既存の物流センターの運用や設備を大幅に変更せずに導入できる点に注目し、ORVを北関東SCMセンター(群馬県前橋市)と白山第3センター(石川県白山市)に試験的に導入した。
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