アドビが「社内ルールや商習慣に関する実態調査」の結果を発表した。「社内に非効率な商習慣が存在する」と80.6%が回答し、セキュリティの面から廃止の動きがあるパスワード付き添付ファイルを82.0%が受信していた。
アドビは2020年12月10日、「社内ルールや商習慣に関する実態調査」の結果を発表した。同調査の対象者は、普段仕事でパソコンを利用している会社員の男女500人。初めに、勤務先の会社に非効率だと分かっていながらも、商習慣として続いていることがあるかを尋ねたところ、40.8%が「多く存在する」と回答した。「少し存在する」の39.8%と合わせると、80.6%が社内に無駄な商習慣があると感じていることが分かった。
前問で、社内に非効率な商習慣が「存在する」と回答した403人に、無駄だと感じたことのある商習慣を尋ねた。その結果、「書類への押印、捺印」(58.1%)が最も多かった。次いで「紙資料の印刷、配布」(52.9%)、「手書きでの記載が必要な書類の作成」(46.7%)となっている。
続いて、パスワード付き添付ファイルについて尋ねた。パスワード付き添付ファイルとパスワードをそれぞれメールで送る行為(通称「PPAP」)は、専門家からセキュリティ上廃止すべきという意見があり、行政でもパスワード付き添付ファイルの使用をやめる動きがある。
回答者に、過去1年間でパスワードがかかったファイルが添付されたメールを受け取った経験があるかを尋ねたところ、「頻繁にある」が33.2%、「ときどきある」が48.8%で、合わせて82.0%がパスワード付き添付ファイルを受信していたことが分かった。
また、過去1年間でパスワード付き添付ファイルを相手に送信した経験については、「頻繁にある」が21.8%、「ときどきある」が34.8%で、合わせて56.6%が送付していた。
次に、過去1年間にパスワード付きファイルをメールで送った経験が「ある」と回答した283人に、パスワード付きファイルを使用した理由を尋ねた。その結果、「会社の規則やルールで指定されているから」(56.2%)が最も多かった。2位は「セキュリティ上有意義だと思うから」(41.3%)となっている。
また、パスワードがかかった添付ファイルとパスワードを別々のメールで分けて送るPPAPは、セキュリティ上意味のない行為と言われていることを知っているかについて、対象者全員に尋ねた。その結果「明確に知っていた」と回答した人は、23.2%にとどまった。
最後に、会社内の無駄な商習慣を社内からなくすためには、何が重要だと思うかを尋ねたところ、「経営陣の意識改革」(47.0%)が最も多かった。続いて「社内ルールの抜本的見直し」(41.4%)、「自分自身のITリテラシー向上」(26.0%)となっている。
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