以上のように接触定義を設定することで、「見たい部分」の検証が可能になります。
次に、メッシュサイズを1mmに変更して、解析結果の変化と特異点の確認を行いました。解析結果の著しい変化はありませんでしたが、「SOLIDWORKS」の応力ホットスポット機能で確認したところ、隣接要素間の不規則な応力勾配が検出されました。
この不規則な高い応力勾配は、応力特異点に起因している可能性があります。応力ホットスポットが検出された後、応力特異点の検出プロセスでは、ローカルメッシュにより要素サイズを小さく設定しながら、特異点を検出していきます。これは、要素サイズを小さくすればするほど、応力値は大きくなる(発散する)という応力特異点の事象を利用したものです。
今回の例では、ナットのエッジ部とL型部品の角部に応力特異点が見られましたが、本来評価したかった場所とは異なるため問題視していません。
目的となる軸/軸穴部については、降伏強さに対し著しく小さな値ではあるものの、カムフォロアとL字部品の接地面に降伏強さ約2分の1の高い応力が見られることから、“カムフォロアの強度の確認をする必要がある”という見解を出しました。カムフォロア自体を管理する必要があるということです。
このように、アセンブリの解析では、接触定義を行うことで、解析結果の精度向上を図ることが可能になります。 (次回に続く)
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