東レは、蛍光体による波長変換技術を活用し、X線シンチレーターパネルの輝度を約30%向上させる新技術を開発した。同技術を医療用X線撮影装置のX線検出器に用いることで、従来品よりも明瞭な患部の観察や被ばく量の低減が可能になる。
東レは2020年4月21日、蛍光体による波長変換技術を活用し、X線シンチレーターパネルの輝度を約30%向上させる新技術を発表した。2020年度初めから、同技術を用いた製品の販売開始を予定している。
一般的に医療用X線撮影装置のX線検出器は、X線を可視光線に変換するシンチレーターパネルと、可視光線をデジタル画像に変換するフォトセンサーパネルから構成される。シンチレーターパネルでは、蛍光体層でX線を吸収し、可視光線を放射する。
今回開発した技術には、GOS(テルビウム賦活酸硫化ガドリニウム)を利用。GOSの発光スペクトルにおけるフォトセンサーパネルの感度が低い350〜400nm付近の短波長領域の光を吸収し、感度が高い550nm付近の波長領域の光に変換する第2の蛍光体をGOSに加えた。この新しい蛍光体層「GOS-α」は、GOSの低コスト、高安定性、高耐久性という特徴を維持しつつ、同程度の厚みの従来品に比べて輝度を向上することに成功した。
同社は、GOS-αを適用したX線シンチレーターパネルを医療用X線撮影装置のX線検出器に用いることで、従来品よりも明瞭な患部の観察や被ばく量の低減が可能になるとしている。
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