小型切削加工機向け振動モニタリングシステム、刃物の摩耗や加工状態を可視化FAニュース

リコーインダストリアルソリューションズは、ファナック製小型切削加工機「ロボドリル」向けの振動モニタリングシステムを発売した。これまで詳細に把握できなかった刃物の摩耗状態や加工状態を可視化する。

» 2020年01月28日 07時00分 公開
[MONOist]

 リコーインダストリアルソリューションズは2019年12月24日、ファナック製小型切削加工機「ロボドリル」向けの振動モニタリングシステムを発売した。独自に開発した振動センサーと専用コントローラーにより、これまで詳細に把握できなかった刃物の摩耗状態や加工状態を可視化する。

キャプション 振動モニタリングシステム 出典:リコーインダストリアルソリューションズ

 従来の振動モニタリングシステムは、検知できる周波数が10KHz以下と低いものが主流で、異常振動の検出範囲が限定的だった。今回発売したシステムは、周波数帯域が10Hz〜96KHzと広域だ。これにより、これまで検出が難しかった多種類の加工時の異常振動を検出できる。

キャプション センサー取り付けイメージ 出典:リコーインダストリアルソリューションズ

 また、ファナック製CNCとの連携により、状態を確認したい工具の切削区間を指定して加工ごとに比較できる。さらに、独自開発のAI(人工知能)技術により、対象の加工や工具の正常時から異常時までの振動パワーの変化を数値化するため、工具の摩耗に伴う振動変化や工具折損時の異常振動などを一定の指標と照らし合わせて確認し、適切に工具寿命を把握できる。

 機器、工具の状態や加工状態を可視化することにより、機器の予防保全や製造現場の効率的な改善ができる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.