2019年上期が減収減益の決算となったホンダだが、グローバル生産台数は前年同期比1.0%増の262万683台で上期としては過去最高だった。国内や中国の販売が好調で、上期として8年連続の前年超えとなった。国内生産は「N-BOX」の好調により、44万3797台と前年同期に比べて6.8%増加した。国内生産が前年を上回るのは4年連続となった。
一方、ホンダの海外生産は同0.2%減の217万6886台と、8年ぶりの前年割れとなった。北米は同8.3%増の92万7242台と好調だったものの、アジアではインドやインドネシアの不調により同2.9%減の111万9852台で8年ぶりに前年を下回った。ただ、中国は同6.6%増と8年連続でのプラスを確保した。生産撤退を発表済みの欧州はディーゼル車などの販売減少などにより同37.4%減と大幅に減らした。
また、2019年9月単月では、ホンダの国内生産は前年同月比18.2%減と大幅に減少した。これは電動パーキングブレーキシステムの調達トラブルを抱える「N-WGN」の生産を停止している影響が表面化した。この問題は「フィット」の生産延期などにもつながり、結果として通期の業績見通しも下方修正を余儀なくされた。
SUBARU(スバル)のグローバル生産は2年ぶりにプラスを確保した。前年同期に比べて1.3%増の49万7946台だった。国内は同2.2%増の32万5789台。完成検査の不適切行為に関する再発防止策により生産ラインの速度は落としていたものの、前年が新型「フォレスター」の発売前で生産調整していたこともあり、結果としてプラスを確保した。海外は北米向け3列シートSUV「アセント」が増加したが、主力の「レガシィ/アウトバック」がモデル末期で台数を減らしたため、同0.2%減の17万2157台と微減となった。2019年9月単月の生産台数は、「インプレッサ」の減少や新型「レガシィ/アウトバック」の立ち上げに伴う品質確保のため、国内、海外ともに2カ月連続で減少した。
厳しい状況に置かれているのが日産自動車だ。グローバル生産は、前年同期比8.5%減の244万33台と2年連続で前年割れとなった。その結果、2019年上期の売上高は前年同期比9.6%減、営業利益に至っては同85.0%減という内容だった。国内は「エクストレイル」の減少などで同12.6%減の39万131台。海外も同7.7%減の204万9902台だった。主力市場の米国は同3.6%減、中国は横ばいにとどまったものの、メキシコや英国、スペイン、東南アジアなどが台数を落とした。2019年9月単月は、グローバル生産が10カ月ぶりに前年同月を上回った。国内生産は減少した一方で、中国が9月として過去最高を記録するなど海外が11カ月ぶりにプラスを確保した。
スズキも苦戦している。グローバル生産台数は前年同期比16.4%減の146万4913台と大きく減少。グローバル生産が前年を下回るのは3年ぶりとなる。同社の世界販売の半数以上を占めるインドは、経済成長の減速やローン審査の厳格化などにより2018年後半から大きく市場が冷え込んでおり、インドの生産台数は同20.0%減の79.0万台にとどまった。加えてパキスタンも低迷したことから海外生産は同18.5%減の102万617台と8年ぶりに前年を下回った。国内生産も国内向け、海外向けともに減少し、同11.0%減の44万4296台と3年ぶりの前年割れとなった。その結果、2019年上期の業績も各項目で新記録を達成した2018年から一転し、減収減益の厳しい決算となった。
マツダのグローバル生産は、前年同期比4.2%減の72万5286台。2年連続でマイナスとなった。全面改良した「マツダ3」が同43.6%増と大幅に増加した国内生産は、同9.1%増の50万3267台と4年ぶりのプラスとなった。一方、海外生産は中国の販売減少やメキシコの生産品目の変更などにより同24.8%減の22万2019台にとどまった。2019年9月単月では、好調な国内生産に加えて海外生産の落ち込み幅が減少したこともあり、グローバル生産は前年同月比1.6%減まで回復している。
三菱自動車のグローバル生産は、前年同期比1.7%減の66万2879台と3年ぶりに前年を下回った。海外は主力のタイが市場低迷により同6.6%減と減少したものの、「エクスパンダー」が好調なインドネシアが大幅に伸び、海外生産全体では同1.3%増の36万2290台と3年連続でプラスを確保した。国内は「エクリプス クロス」の減少などにより同5.0%減の30万589台と3年ぶりに前年を割り込んだ。
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