グローバル戦略で生産実績に明暗、日系自動車メーカーの2019年4〜9月製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

日系乗用車メーカー各社の2019年度上期(2019年4〜9月)の生産実績は、メーカーによって明暗がはっきりと分かれる結果となった。グローバル生産台数では、トヨタ自動車、ホンダ、ダイハツ工業の3社は上期として過去最高を更新した。一方で、日産自動車、スズキ、マツダ、三菱自動車の4社は前年同期の実績を下回った。

» 2019年11月20日 06時00分 公開
[MONOist]

 日系乗用車メーカー各社の2019年度上期(2019年4〜9月)の生産実績は、メーカーによって明暗がはっきりと分かれる結果となった。グローバル生産台数では、トヨタ自動車、ホンダ、ダイハツ工業の3社は上期として過去最高を更新した。一方で、日産自動車、スズキ、マツダ、三菱自動車の4社は前年同期の実績を下回った。中国やインド、東南アジアの自動車市場が低迷しており、各社の異なるグローバル戦略が生産台数にも反映された。

日系自動車メーカーの2019年度上期生産台数
2019年9月 2019年4〜9月
国内 海外 合計 国内 海外 合計
トヨタ 292,499 460,944 753,443 1,715,818 2,836,088 4,551,906
21.3 ▲ 4.5 4.1 14.9 ▲ 2.0 3.7
ホンダ 65,259 364,937 430,196 443,797 2,176,886 2,620,683
▲ 18.2 0.8 ▲ 2.7 6.8 ▲ 0.2 1.0
日産 73,152 379,460 452,612 390,131 2,049,902 2,440,033
▲ 2.1 3.0 2.1 ▲ 12.6 ▲ 7.7 ▲ 8.5
スズキ 75,173 171,105 246,278 444,296 1,020,617 1,464,913
▲ 14.0 ▲ 15.1 ▲ 14.8 ▲ 11.0 ▲ 18.5 ▲ 16.4
ダイハツ 83,832 71,090 154,922 463,150 386,360 849,510
6.4 22.2 13.1 6.3 3.4 4.9
マツダ 84,838 40,537 125,375 503,267 222,019 725,286
5.3 ▲ 13.5 ▲ 1.6 9.1 ▲ 24.8 ▲ 4.2
三菱 55,047 71,404 126,451 300,589 362,290 662,879
▲ 13.5 11.0 ▲ 1.2 ▲ 5.0 1.3 ▲ 1.7
スバル 58,880 26,252 85,132 325,789 172,157 497,946
▲ 0.3 ▲ 18.7 ▲ 6.8 2.2 ▲ 0.2 1.3
合計 788,680 1,585,729 2,374,409 4,586,837 9,226,319 13,813,156
※上段は台数、下段は前年比。単位:台、%

 2019年上期で過去最高の売上高と純利益を確保したトヨタ自動車は、グローバル生産台数が455万1906台と前年同期比3.7%増加した。前年を上回ったのは3年ぶりで、生産台数としても上期として過去最高となった。内訳は、国内生産が171万5818台。3年ぶりの前年超えで前年同期比11.4%増と大幅に増加した。これは2019年1月から生産を開始した北米向け新型「カローラセダン」の台数増などが寄与した。

 同社の海外生産は前年同期比2.0%減の283万6088台で、前年同期を下回ったのは2年ぶりだ。主要拠点である北米とアジアの前年割れが響いた。北米では2019年3月からカナダで「RAV4」の生産を開始したものの、「カローラ」の生産をカナダから米国へ移管したこともあり、北米トータルの生産台数は前年同期に比べて1.4%減の96万4113台と3年ぶりのマイナスだった。2019年9月単月ではRAV4、カローラの生産が好調なため前年同月比4.0%増の16万932台とプラスを確保した。

 アジアは前年同期比1.6%減の128万5139台で、4年ぶりのマイナスだった。このうち中国は「イゾア/C-HR」と「アバロン」の生産開始がプラス要因となったものの、RAV4の新型への切り替えに伴う生産調整を実施しており、前年同期比2.0%増の68万4672台だった。RAV4の影響は続いており、2019年9月単月でも前年同月に比べてマイナスとなっている。アジアでは2番目に生産量の多いタイは市場減退の影響で低迷しており、前年同期比2.2%減の29万4139台にとどまった。インドネシアも市場が冷え込んでおり、同5.4%減だった。タイは2019年9月単月でも前年割れとなっており、依然として回復していない。さらに厳しいのがインドで、前年同期比28.3%減と大幅な減産を余儀なくされている状況だ。

 トヨタ自動車傘下のダイハツ工業も好調に推移した。グローバル生産は前年同期に比べて4.9%増の84万9510台だった。4年連続で増加し、上期としては過去最高を更新した。国内生産は、軽自動車やトヨタ自動車向けOEM(相手ブランドによる生産)車の登録車などが好調に推移し、2年ぶりに前年を上回るとともに過去最高の台数となった。海外もマレーシアが増加し、4年連続のプラスとなり、過去最高を記録した。2019年9月単月でも好調に推移しており、国内、海外、グローバルの全ての生産項目で9月としては過去最高を更新した。

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