2019 国際ロボット展 特集

最大リーチ2951mmの中空スポット溶接ロボット、自動車ボディーや部品溶接に活用FAニュース

安川電機は、スポット溶接用途のロボット「MOTOMAN-SP」シリーズの新製品「MOTOMAN-SP225H-135」を発売した。最大リーチが2951mmとなり、より広範囲の溶接が必要な工程に対応した。

» 2019年11月13日 07時00分 公開
[MONOist]

 安川電機は2019年10月29日、スポット溶接用途のロボット「MOTOMAN-SP」シリーズの新製品「MOTOMAN-SP225H-135」を発売した。価格はオープン。自動車ボディーや部品のスポット溶接用途を想定している。

 同製品は、可搬質量225kg、最大リーチ2702mmの「MOTOMAN-SP225H」を基にしたロングアームタイプの中空スポット溶接ロボットだ。最大リーチが2951mmとなり、より広範囲の溶接が必要な工程に対応した。各軸の最大速度と加減速度を最適化し、スポット溶接動作のサイクルタイムを短縮している。

 上アーム中空構造により、艤装メンテナンス性を高め、リスト干渉半径とリスト幅を縮小し、機器の搭載スペースを確保した。

 従来型のスポット溶接電動ガン用サーボモーター(容量1.5kW、2.0kW)に加えて、容量2.5kWのサーボモーターを開発。アルミニウムやハイテン(高張力鋼板)など新素材向けの高加圧スポット溶接への対応力を高めた。

 最高速度動作指定(VMAX機能)により、直線動作時の最高速度制限を撤廃。ロボットの教示位置、姿勢に応じて、直線動作可能な最高速度を自動計算して動作する。これにより、従来の最高速度制限以上の高速度での動作が可能となり、ロボットの動作時間が短縮された。

 新たな軌跡制御の採用により、軌跡誤差を同社従来比で80%向上。テスト運転やプレイバック時も動作速度変化によらず同じ軌跡で動作できる。

 従来機種では2本必要だったロボットとコントローラー間の接続ケーブルが1本のみとなり、セットアップの際の配線時間を短縮している。

 マニピュレータ内部の通信線の断線や各軸サーボモーターのエンコーダー異常が発生した際には、プログラミングペンダント上に異常アラームを表示、異常箇所の特定を容易にした。また、通信線の断線時の仮復旧や異常箇所特定のための仮配線を行えるマルチポートを各部位に標準搭載している。

 中大型機種に対応したロボットコントローラー「YRC1000」に電源回生機能を標準搭載し、海外電圧(380〜480V)に変圧器なしで対応可能だ。

photo スポット溶接用ロボット「MOTOMAN-SP225H-135」 出典:安川電機

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