車載アンテナは完全にフラットに、ルーフと同化して目立たず東京モーターショー2019

コンチネンタルオートモーティブ(Continental)は「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、開発中のフラットな車載アンテナを披露した。

» 2019年10月29日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 コンチネンタルオートモーティブ(Continental)は「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、開発中のフラットな車載アンテナを披露した。

完全にフラットな車載アンテナ(左)。コンチネンタルのECU一体型シャークフィンアンテナ。受信した電波をECUでデジタル変換する(右)(クリックして拡大)

 開発品は従来の車載アンテナのように高さがないため、車両のデザインを損ねずに搭載できる。LTE、マルチGNSS(衛星測位システム)、Wi-Fi、Bluetooth、衛星デジタルラジオといった各種アンテナと付属する電子部品を1つのユニットに収めている。現在普及しているシャークフィン型のアンテナは小型化と複数のアンテナの搭載を両立することが難しく、「LTEの代わりにラジオを諦めるなど、取捨選択が避けられなかった」(コンチネンタルの説明員)。

 開発品は、配線の簡易化や搭載スペースの削減に貢献するだけでなく、信号品質も向上するという。LTEは複数の送受信機のチャネルを介して同時にデータ転送することが可能だとしている。5G(第5世代移動通信)にも対応させる。

 コンチネンタルは、自動車のコネクテッド化に注力しており、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)や、セルラーV2X(携帯電話通信技術を使った車車間、路車間、歩車間通信)に必要な技術をそろえる。2019年2月には、アンテナメーカーのKathrein Automotiveの買収を完了。東京モーターショーで展示したフラットな車載アンテナには、Kathreinの回路基板設計技術が生かされている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.