コンチネンタル・オートモーティブ・ジャパンは「人とくるまのテクノロジー展2018」において、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)の対応に向けたインビークルサーバ(ゲートウェイ)と、ECU一体型のシャークフィンアンテナを紹介した。
コンチネンタル・オートモーティブ・ジャパン(コンチネンタル)は「人とくるまのテクノロジー展2018」(2018年5月23〜25日、パシフィコ横浜)において、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)の対応に向けたインビークルサーバ(ゲートウェイ)と、ECU一体型のシャークフィンアンテナを紹介した。
ゲートウェイにはメガバイト単位のメモリ容量や高い処理能力のCPUが必要になると見込む。データを集約する役割を担うため、イーサネットやCAN FDなど高速なデータ伝送が可能な通信にも対応させる。
OTAは、自動車の機能や性能を更新して最適な状態に保つ上で重要になるだけでなく、車両の購入後に新機能を追加することが新たなビジネスモデルとなる可能性も持っている。ゲートウェイは、OTAで扱うデータ量の拡大に対応し、OTAの更新情報を一時的に保管し、ルーターとして必要なECUに情報を分配する役割を持たせる。また、OTAの実現だけでなく、車両に搭載されたさまざまなECUの状態を遠隔で監視、診断したり、ECUの異常を自動車メーカーに知らせたりする機能も持つ。
ゲートウェイはサイバー攻撃による侵入検知と不正アクセスの阻止も行う。コンチネンタルは2017年11月にイスラエルのセキュリティ企業であるアルグス・サイバーセキュリティを買収。アルグスはコンチネンタル傘下のソフトウェア会社エレクトロビットに合流した。
コンチネンタルの技術者は「セキュリティは、防御力の向上と攻撃後の迅速な復旧の両方を重視している。車載セキュリティは、ECUの限られた処理性能の中でセキュリティを実装し、正しく機能させられるかどうかが競争になる。アルグスの技術力はわれわれの強みになる」と説明した。
シャークフィンアンテナは、受信した電波をECUでデジタル変換するもの。従来使われてきた同軸ケーブルをなくすことができる。また、大容量の通信を実現する5Gが自動車で使われた時に同軸ケーブルで通信量を落とさずに情報を活用する上で、アンテナをECU一体型のメリットが出てくるという。ECU一体型のシャークフィンアンテナは今後1〜2年で製品化する。
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