Robert Boschは、自動車で無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)が可能になる「コネクテッドゲートウェイ」を2019年に製品化する。2023年以降には、コネクテッドゲートウェイにドメインコントローラーとしての機能も内蔵した「ビークルコンピュータ」を投入。演算処理能力はノートPCとそん色ない4万〜50万DMIPSを想定している。
Robert Bosch(ロバート・ボッシュ)は、自動車で無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)が可能になる「コネクテッドゲートウェイ」を2019年に製品化する。パワートレイン、ボディー、シャシー、車載情報機器といった部位ごとに「ドメインコントローラー」でECUの通信を管理し、さらに4つのドメインコントローラーをコネクテッドゲートウェイが統合。コネクテッドゲートウェイでセキュリティ機能を持たせ、車載ネットワークの複雑な通信も一括管理できるようにする。
2023年以降には、コネクテッドゲートウェイにドメインコントローラーとしての機能も内蔵した「ビークルコンピュータ」を投入する。演算処理能力はノートPCとそん色ない4万〜50万DMIPSを想定している。セントラルゲートウェイの高機能化・高性能化によってECUの搭載数やワイヤーハーネスの使用量を削減できる見通しだ。
ロバート・ボッシュは、コネクテッドカーの市場規模は今後5年間で年率25%近いペースで成長すると見込んでいる。モバイル端末のようなサービスが利用可能になり、移動の効率が向上するため、米国、中国、ドイツの3カ国でCO2排出量が40万トン削減できる予測だ。自動車が関わる死傷事故も年間26万件減少する減少するとしている。
コネクテッド化による恩恵の1つがOTAだ。ドライバーはディーラーや整備工場に出向くことなくアップデートや故障診断を受けられ、車両のソフトウェアを最新に保つことができる。ドライバーに新たなサービスを提供したり、故障やリコールの対応を迅速化したりすることも可能だ
ロバート・ボッシュはOTAに必要なソフトウェア、通信、セキュリティ、ヒューマンマシンインタフェース、クラウド環境もワンストップで提供する。同社もしくは自動車メーカーのサーバからクラウドサービスを提供できる「ボッシュIoTクラウド」を展開していく。アプリ開発向けにソフトウェアスイートも提供する。セキュリティ面では、暗号化技術に強みのあるグループ会社escryptと協業し、民生用で実績のある侵入検知システムを自動車向けに展開していく。
「自前で提供できる部分もあるが、他社との協業にも積極的に取り組んでいく。既存のサプライヤだけでなく、自動車業界に新規参入してくる企業もライバルになるだろう。ワンストップで出せることは強みになっていく」(ロバート・ボッシュ オートモーティブエレクトロニクス事業部 事業部長のクラウス・メーダー氏)。
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