「トラック」は、機械のドキュメントとメンテナンス履歴を管理するサービスで、部品表やマニュアル、メンテナンスログ、タスクなどを一元的に管理することが可能となる。
「モニター」は機械の運転データを収集し、モニタリングするサービスである。既にIoTゲートウェイなどでデータ収集を行っている場合はそのデータを活用できる。さらに、シュナイダーエレクトリックが今後別売りで用意するOT(制御技術)側のデータを管理用に変換しクラウドに送りこめるIoTゲートウェイ製品を使うことで、同社製品以外のコントローラーやセンサーなどからのデータを収集し管理することなども可能となる。これらのデータをダッシュボード形式で閲覧できるようにする。OEE(総合設備効率)、パフォーマンス、稼働率、品質などを一元的に把握することが可能となる。
「フィックス」は2019年末に提供予定のサービスで、機械の制御機器と暗号化通信で接続し、ソフトウェアの遠隔修正などを行えるようにする。「機械の不具合なども場合によってはソフトウェア修正で解決できるような場合もある。従来はエンジニアを派遣し、原因を究明し、そしてソフトウェアを修正するというような工程が必要で、復旧までに多くの時間がかかっていた。こうした問題を解決できるようにする」(白幡氏)としている。
これらの3つのサービスにより「IoTを活用した機械のライフサイクル管理が実現可能となる。これらをサブスクリプションモデルで提供する」(白幡氏)という。
価格体系は、「トラック」については基本的には無料で、「モニター」は従量課金制のサブスクリプションモデルとなる。機械3台までは無料で使用でき、それ以降は1機械、1データ、1カ月で100円の利用料金となる。既に実績のある金属加工機メーカーでは「年間で2万円程度の料金で成果を生み出している」(白幡氏)としている。
クラウドサービスということで、データの所有などが気になるところだが「基本的には機械のデータはシュナイダーエレクトリックのデータ基盤で収集する」(白幡氏)。ただ「データの活用方法についてはそれぞれのユーザーとの合意と契約に基づくものとするので、シュナイダーエレクトリックで勝手にデータを使用することはない」と白幡氏は述べている。
海外では2018年5月から展開を開始し2018年内には680台の機械が同社のサービスを活用しているという。2019年はグローバルで5000台の接続を目指しているという。日本でも展示会などで先行的に同サービスの紹介を行ってきたが「現状での手応えは良い。機械産業として特に注力する包装機械、加工機械、ホイスト機械、マテハン用機械、ポンプ、空調冷凍機械などの業界で早期に成果が出ると期待している」(シュナイダーエレクトリック インダストリー事業部 チャネルマーケティング マネージャー 川田学氏)としている。
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