デジタル化で勝負を挑むシュナイダー、機械向けとプラント向けでIoT基盤を訴求スマートファクトリー

シュナイダーエレクトリックはデジタル変革への取り組みと日本での現状について説明会を開催し、同社のIoT基盤「EcoStruxure」を機械向けとプラント向けで展開する方針を示した。

» 2018年02月14日 10時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 フランスのSchneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は2018年2月13日、デジタル変革へのグローバルでの取り組みと国内での戦略について紹介した。

 シュナイダーエレクトリックは日本においてはデータセンター向けのソリューションでのイメージが強いが、海外ではビル制御や工場、プラント制御などで多くの実績を持つエネルギーマネジメントとオートメーションの企業である。これまでは、日本におけるビル制御やプラント制御などの領域は参入障壁が高いこともあり、工場内装置の表示機器で実績のあるデジタルや、プラント向けのSCADAなどで大きな実績のあるInvensys(インベンシス)などM&Aでグループ化した企業において、個々に展開してきていた状況だった。

photo シュナイダーエレクトリック 日本統括代表の白幡晶彦氏

 しかし、IoT(モノのインターネット)などの発展により、デジタル変革の動きが活性化してきた。「その中で新たな可能性が生まれてきた」と語るのが2018年1月1日に新たに日本統括代表に就任した白幡晶彦氏である。白幡氏はシュナイダーエレクトリックのアジア太平洋地域の事業において、スマートビルディングや機器制御などの領域に取り組んできた経歴を持つ。

 その中で「日本は現在高齢化やシステムのオープン化、グローバル対応など数々の課題に悩まされている状況だ。これらの中で、IoTなどデジタル変革の動きを活用して解決策を模索している状況である。デジタル化によってソリューションを展開していく」と白幡氏は語る。

 こうした中で、グローバルでシュナイダーエレクトリックが強化しているのがIoTプラットフォーム「EcoStruxure(エコストラクチャー)」である。シュナイダーエレクトリックではIoTを「ネットにつながる製品群(コネクテッドデバイス)」「エッジコントロール」「アプリ、アナリティクス、サービス」の3層で捉えている。これらの3層の基盤により、エネルギーマネジメントとオートメーションの効率化を推進するという。

 白幡氏は「日本市場においても競合は多いと理解しているが、もともとの強みであるコネクテッドデバイスとエッジコントロールの領域に加え、第3層においてもいち早く取り組み、多くの実績を築いていることが強みだ。またグローバルで豊富な実績を持つことからグローバル展開の支援なども可能だ」と述べる。

photo シュナイダーエレクトリックのIoTプラットフォーム「EcoStruxure(エコストラクチャー)」(クリックで拡大)出典:シュナイダーエレクトリック

 さらにその中で、IT向けの他、機械向けとプラント向けを重点3分野として展開する。パートナーについても従来の機器を展開してきたパートナーに提案を進めている他、新たなパートナーの拡大にも取り組む方針を示す。ただ、白幡氏は「日本において無理に海外で強いビジネスを持ち込むということではない。既存領域で差別化ができるところで新たな価値を提供し、その上でソリューションを加えてスケールアップしていきたい」と取り組みの方向性について述べている。

photo EcoStruxure Machineの概要(クリックで拡大)出典:シュナイダーエレクトリック

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