ということで、今回は流体解析における結果の可視化の方法について述べた。
最後に、せっかくなので解析を行って、結果の可視化について振り返ってみようと思う。前回は、内部流れだったので今回は外部流れの解析を扱うこととしよう。
題材は、以下のような飛行機だ。
今回のモデルは、対象とする物体の外側が流体である。ということで、ジオメトリをインポートした後に、十分な大きさの空気の領域を定義する。
なお、今回のモデルで定義する物性は、非圧縮の空気のみである。熱などは解かないので、障害物として定義する。
内部流れのときと同様に、流入、流出の領域になる面を登録する。
定義した面に対して、流入速度や流出側の静圧条件などを定義する。
側面については、本来、壁などはない。ここにはフリースリップの壁面条件を付けておく。
その他、必要な条件を定義したら、メッシュを作成する。
解析結果を確認してみる。例えば、ここでは機体表面の圧力係数を示している。このような情報はコンター図として示す。
また、前述したオイルフローは、以下のように表現される。
もちろん、前回の内部流れで行ったようなカット面を使った結果の表現もできる。例えば、以下のように翼のある断面上における圧力の情報などについてである。
基本的にポスト処理でも使用する機能は内部流れであろうと、外部流れであろうと変わらない。
今回も前回に続いて、これから流体解析を行っていく上での「さわり」に該当する内容を説明した。
次回からは、ソフトウェアの機能と解析したい事象、それに関連する理論、そして、設計現場でどのように結び付けていけるかなどについて、徐々に理解を深めていけるようにしたい。(次回に続く)
水野 操(みずの みさお)
1967年生まれ。mfabrica合同会社 社長。ニコラデザイン・アンド・テクノロジー代表取締役。3D-GAN理事。外資系大手PLMベンダーやコンサルティングファームにて3次元CADやCAE、エンタープライズPDMの導入に携わった他、プロダクトマーケティングやビジネスデベロップメントに従事。2004年11月にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、オリジナルブランドの製品を展開。2016年に新たにmfabrica合同会社を設立し、3D CADやCAE、3Dプリンタ関連事業、製品開発、新規事業支援のサービスを積極的に推進している。著書に著書に『絵ときでわかる3次元CADの本』(日刊工業新聞社刊)などがある。
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