国際協力銀行は、国内製造業企業の海外事業展開に関する調査結果を発表した。海外収益比率が過去最高の37.3%となり、収益目標の達成度合いを示す「収益満足度評価」も高水準だった。
国際協力銀行は2018年11月26日、国内製造業企業の海外事業展開に関する調査結果を発表した。国内の製造業で海外事業の実績のある企業1012社を対象とし、売上高や収益満足度に関する「海外事業実績評価」「海外事業展開見通し」「中期的な有望事業展開先国、地域」などに関して同年6〜9月にかけて調査した。対象企業のうち、605社から有効回答を得られた。
調査結果によると、海外収益比率は過去最高の37.3%となり、収益目標の達成度合いを示す「収益満足度評価」も高水準だった。また、今後、海外事業展開を「強化、拡大する」と回答した企業も増加した。一方で、2018年度の海外収益比率の見込み値は2017年度より低下していた。
事業展開先として中期的に有望な国・地域は、中国およびインドが他国との差を広げ、両国と他国との二極化が進んだ。中国、インドに対しては全業種において「市場の成長性」「市場規模」への期待が高くなっている。
保護主義的な政策が及ぼす影響は、約3割の企業が収益や貿易取引の「減少が見込まれる」と回答。環境規制の影響に関しては、中国やEUで「強化されている」との回答が5〜7割を占め、それを「プラスの影響が見込まれる」と考える企業が3〜4割存在している。大気汚染や下水、廃水処理、また自動車での省エネ分野において、特に中国での事業に関心が集まる結果となった。
国際協力銀行では、米中をはじめとする世界的な景気減速や貿易摩擦などの外部要因が事業計画にどう影響するかを見極めること、次世代技術の開発スピードを維持することが、今後の課題となるとしている。
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