マツダは2018年3月期(2017年度)の連結決算を発表した。
マツダは2018年4月27日、東京都内で会見を開き、2018年3月期(2017年度)の連結決算を発表した。
売上高は前年比8.1%増の3兆4740億円、営業利益は同16.5%増の1464億円、当期純利益は同19.5%増の1121億円の増収増益だった。グローバルでの販売台数は前年比5%増の163万1000台で、過去最高を更新した。
2017年度の営業利益は、米国での出荷台数減少や販売費用の増加がマイナス要因となったが、為替影響やコスト改善によって前年から増加した。グローバル販売をけん引したのは「CX-5」だ。販売台数はほとんどの地域で増加した。
地域別にみると、日本では3列シートSUV「CX-8」のハイグレードモデルが受注台数の高い割合を占めた。北米の販売台数は前年比1%増と微増だったが、CX-5と「CX-9」は対前年で3割近く増加した。中国では、「マツダ3(日本名アクセラ)」や「マツダ6(日本名アテンザ)」に加えて、「CX-4」やCX-5などクロスオーバーSUVの販売が好調だった。
2019年3月期(2018年度)の業績は、前年比2.2%増の3兆5500億円で過去最高を更新する見通し。一方で、営業利益は同28.3%減の1050億円、当期純利益は同28.6%減の800億円を見込む。為替影響や、米国の販売ネットワーク改革への投資、欧州のCO2排出規制のペナルティーによって減益となる。
2018年度のグローバル販売台数は、前年比2%増の166万2000台を計画する。商品改良モデルを投入する他、オーストラリアやニュージーランド、中国でのCX-8の展開に加えて、防府第2工場を昼夜勤の2直体制とすることで効率的でフレキシブルな生産体制を構築して対応する。
米国の販売ネットワーク改革では、2021年に販売能力40万台の体制を目指す。初年度の100億円を含め、今後4年間で400億円を投じる。次世代のブランド店舗を、現状の40カ所から300カ所に拡大する。2021年にはトヨタ自動車と共同出資で米国に設立する新工場が稼働するため、それまでに販売体制の強化を急ぐ。
これらの取り組みは、2024年3月期(2023年度)にグローバル販売台数200万台を目指すための足場となる。2022年3月期(2021年度)までの期間は、将来の成長のため通常の1000億円規模の設備投資に2500億円を上乗せする。製品の競争力向上では、第2世代のSKYACTIV技術の採用を進めていく。
次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」などについては既に発表済みだが、今回の決算会見では小型車と大型車でアーキテクチャを分けることを明らかにした。小型車はCX-3や新型クロスオーバー車などで、120万台規模を想定する。大型車はCX-5を中心に、CX-8やCX-9が該当する。
従来の一括企画では、車種を超えて設計を固定する部分と、変動させてサイズや商品性の違いを出す部分を分けていた。しかし、台数の増加により非効率な面も増え、上位のセグメントの設計に対応させるのも限界があったという。アーキテクチャを分けて付加価値を向上していく。
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