認知症など脳ドック向け脳磁計で共同研究契約を締結医療機器ニュース

リコーと北斗は、認知症等のスクリーニング検査を想定した脳ドック向けの脳磁計と周辺機器の開発について共同研究契約を締結した。脳磁計測システムを用いた認知症診断技術の向上に貢献し、新しい脳ドック市場の開拓を目指す。

» 2018年01月31日 15時00分 公開
[MONOist]

 リコーは2018年1月18日、認知症などのスクリーニング検査を想定した脳ドック向けの脳磁計と周辺機器の開発について、北斗と共同研究契約を締結した。脳磁計測システムを用いた認知症診断技術の向上に貢献し、新しい脳ドック市場の開拓を目指す。

 2004年に脳磁計測システムを導入した北斗は、海外から専任の専門家を招くなど、精力的に運用している。昨年からは、精密医療(Precision Medicine)の一環として、海外9大学と共に脳磁計測システムを用いた標準脳機能データベースの研究を進めている。

 今後はこれに、リコーが脳磁計測システムで提供する脳深部計測や高周波計測などのセンシング技術、基盤事業で培った画像技術・システム設計力を連携させる。両社では、脳磁計と周辺機器の共同研究を行い、脳機能に着目した新しい脳ドック市場を開拓する。

 脳磁計測システムは、脳の神経生理学的機能を「見える化」し、脳の状態を把握する計測装置だ。人間頭部の神経細胞の活動に伴って発生する極微弱脳磁場の無侵襲での計測や脳の神経生理学的機能のリアルタイムでの計測により、脳磁場の解析と脳磁図を作成する。てんかんの診断などに活用されている。

 リコーは、生体磁気計測装置の技術開発を2014年より開始し、2016年4月に横河電機から生体磁気計測装置の一種である脳磁計測システムの事業を継承した。リコーの脳磁計測システムは、脳深部からの微弱な脳磁信号を検出できる。

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