トヨタ自動車は、「北米国際自動車ショー2018」において、レクサスブランドのフラグシップ・クロスオーバーのコンセプトモデル「LF-1 Limitless」を初公開した。
トヨタ自動車は2018年1月15日、「北米国際自動車ショー2018」(プレスデー:同年1月14〜16日、一般公開日:1月20〜28日、米国ミシガン州デトロイト)において、レクサスブランドのフラグシップクロスオーバーのコンセプトモデル「LF-1 Limitless」を初公開した。
レクサスブランドは中型SUV「レクサスRX」などにより、ラグジュアリークロスオーバー市場で先駆けてきた。そこで、多様化する顧客のライフスタイルに対し、新しいラグジュアリーの方向性を提案するために開発したのがLF-1 Limitlessだ。「レクサスブランドの次世代デザインの可能性を示し、自動運転技術を搭載するコンセプトカー」(トヨタ自動車)である。
またレクサスブランドは、2025年頃までに、グローバルに展開する全てのモデルを電動専用車、電動グレード設定車とする計画である。このため、LF-1 Limitlessも、従来のガソリンエンジンやハイブリッドに加えて、プラグインハイブリッド(PHEV)、さらには電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)を含めたパワートレインの搭載を想定しているという。
自動運転システムは、目的地までの運転操作を車両側が担う「ショーファーモード」を搭載した。スムーズで効率の高い走行を実現するとともに、交通事故の低減を支援する。自動運転機能を示す「ショーファー」は、予防安全に相当する高度安全運転支援機能「ガーディアン」と対をなしており、トヨタ自動車が提唱しているコンセプトだ(関連記事:どんな困難にも挑むことをトヨタが宣言、全ての人に移動の自由を提供するために)。
また、カーナビゲーションに時間の概念を導入しており、車両や交通の状況に応じた判断により、休憩やレストランの提案、ホテルの予約などを可能とした「4Dナビゲーションシステム」を採用している。この情報は、カーナビゲーションのディスプレイの他、リアシートエンターテインメントシステムや、乗員のスマートフォン、タブレット端末への表示が可能である。
LF-1 Limitlessの外形寸法は全長5014×全幅1986×全高1605mm、ホイールベースは2974mm。大型SUVである「レクサスLX」が全長5080×全幅1980×全高1910mm、ホイールベースが2850mmなので、全長と全幅はほぼ同じだが、全高は300mm以上低い。コンパクトSUVに位置付けられる「レクサスNX」の全高1645mmよりも低くなっている。
外観デザインは、長いノーズと後方に構えたキャビンや、クロスオーバーでありながら重心を低く感じさせるボディーにより、走りを予感させる力強いプロポーションを実現したとする。鍛え抜かれた日本刀にインスピレーションを受け、熱く溶けた滑らかな金属を硬質で鋭利な形状に凝縮したかのような「どこから見ても流れるような動きを持つしなやかな造形を表現している」(同社)という。また、サイドミラーは、カメラを用いた電子ミラーになっている。
内装デザインでは、前席に、ドライバーのジェスチャーを検知することで操作を行うモーションコントローラーや直感的なディスプレイ表示など、最先端のインタフェースを採用した。ステアリング上にパーキングやリバースなどを含めたシフト操作を集約することでシフトレバーをなくし、スイッチが少ないシンプルな空間と運転に集中できるコックピットを実現している。後席は、フラグシップクロスオーバーにふさわしいくつろぎの空間を提供するため、開放的なレッグスペースに加えて、リアシートエンターテインメントシステムや快適機能などをマルチオペレーションパネルで一括して操作することで、高い利便性/快適性を実現したとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.