初出展のファナックは、2017年10月から国内向けのサービス運用を開始した製造業向けのオープンプラットフォーム「FIELD system」をアピールしていた。FIELD systemについて、詳しくは関連記事※)を参照して欲しいが、これにより、ロボットなどの情報を収集し、生産性の向上を図ることが可能になる。既に、社内でも一部で使っているそうだ。
※)関連記事:止めない工場への第一歩、ファナックがFIELD systemで描く世界
コンバーターを使えば、他社製品であっても、旧型機種であっても接続可能。これにより、例えば古いCNCに、加工時間予測などの機能を追加することができる。ユーザーにとっては、既存の設備を更新しなくても、活用できるメリットがある。
必要に応じ、ストアからアプリケーションを購入して機能を利用する。上記の加工時間予測のほか、故障の予兆をつかんでダウンタイムを無くすための「iZDT」、稼働時間の相関関係を見て生産性の改善につなげる「iPMA」などが提供されている。アプリはファナックだけでなく、サードパーティーからも提供される予定。
個人的に“CEATEC名物”といえば、今回で4回目の出展となる卓球ロボット「フォルフェウス」だ。オムロンブースでは、実際にこのフォルフェウスと対戦できるようになっており、いつも来場者で賑わっていた。
技術的な詳細については関連記事※)を参照して欲しいが、4代目フォルフェウスの注目機能は、スマッシュへの対応だ。卓球のスマッシュは非常に速いため、ロボットの移動速度では基本的に追い付けない。そこでどうしているかというと、スマッシュを打たれそうな動きを検知したら、打ち返しやすい場所に事前にラケットを移動しているのだ。
※)関連記事:オムロンの「卓球ロボット」が示す制御技術のポテンシャル
スマッシュの気配は、AI技術「時系列ディープラーニング」で解析する。人間が打ってくると判断したら、ラケットをクロス(対角線)側へ移動して待機。ボールを追従するアルゴリズムも高速化したことで、時速40〜80km程度のスマッシュへの対応も可能になったそうだ。ただし、気が付いたと思うが、ストレート側に打ってはいけない。
後編では、通信キャリアやおもちゃメーカー、大学、研究機関などのロボット関連の展示を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.