ケイデンス・デザイン・システムズは、国際的第三者試験認証機関TUV SUDより、包括的な「TCL1適格」の認定を取得した。これにより車載LSIの設計において、ISO 26262規格に準拠するためのプロセスがさらに容易になる。
ケイデンス・デザイン・システムズ(Cadence Design Systems)は2017年10月11日、国際的第三者試験認証機関TUV SUD(テュフズード)より、包括的な「Fit for Purpose-Tool Confidence Level 1(TCL1)適格」の認定を取得したと発表した。
TCL1適格は、自動車機能安全市場向けEDAソリューションの重要性が高まっている状況を反映したものだ。車載LSIの設計において、ISO 26262自動車機能安全規格に準拠するためのプロセスを容易にするため、TUV SUDが確立した新しいレベル認証となる。これにより、車載半導体メーカー、OEMおよび部品ベンダーは厳しいISO 26262の要件を満たすことができる。
同社は、TUV SUDによる認定を得るため、ツールとフローのドキュメントを提供。TUV SUDは、ASIL AからASIL Dまでケイデンスのフローが車載向けLSIの設計プロジェクトでの使用に適していることを確認した。
同社が提供したドキュメントは「Cadence Automotive Functional Safety Kits」としてまとめられ、アナログ・ミックスシグナル、デジタルフロントエンド設計検証、デジタルインプリメンテーションとサインオフ検証、PCBの4種のフローと、それに含まれる約40種のツールをカバーする。これは自動車産業をサポートする、最も幅広いEDA認定ツールとフローのドキュメントになっているという。
車載向けLSIの設計者は、TUV SUD認定データベースを通じてフローレベルの認定を検証できる。新しい認証モデルでは、各ツールフローの機能安全ドキュメントキットに対して5年間有効な証明書を発行。TUV SUDは、ツールフローに対する更新内容とISO 26262準拠性に対する影響を少なくとも年に一度確認する予定だ。ツールやフローのドキュメント、TUV SUDの技術レポートは、同社Webサイト上のCadence Automotive Functional Safety Kitsを通じて参照できる。
Cadence Automotive Functional Safety Kitに含まれるツールフローのドキュメントは、「PCB設計および検証フロー」「アナログ/ミックスシグナル設計、実装、検証フロー」「デジタルインプリメンテーションとサインオフ検証フロー」となる。
デジタルフロントエンド設計、検証フローに関するドキュメンテーションキットは、ISO 26262に準拠していることが既に評価、確認されている。認定の取得予定は、2017年第4四半期中だ。このフロードキュメンテーションキットにはRTL設計から検証までの仕様が、また、フロントエンドのデジタル設計ツールにはCadence Genus Synthesis SolutionとConformal Equivalence Checkerが含まれている。
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