横河メータ&インスツルメンツは、交流電力校正器「LS3300」を発売した。交流電力を広範囲に、高い確度と安定度で出力する機能を備える。機能を交流電力計の校正に必要なものに絞ることで、導入コストを大幅に削減する。
横河メータ&インスツルメンツは2017年7月14日、交流電圧と交流電流を同時に出力できる交流電力校正器「LS3300」を発売した。
LS3300は、電力計などの測定器の校正用で、交流電力を広範囲に、高い確度と安定度で出力する機能を備えている。現在主流の多機能な校正器に対し、機能を交流電力計の校正に必要なものに限定することで、導入コストの大幅な削減に貢献する。
LS3300は、交流の電圧、電流、電力の校正のほか、電力の位相や力率も任意の値で検査できる。交流電力値に関して±0.045%の高確度で、1時間当たり±0.01%と安定度も高い。
大電流対応が標準仕様になっており、最大62.5Aの大電流を長時間出力できる。LS3300を3台同期させて出力する場合は、最大180Aの大電流を出力可能だ。スマートメーターやシャント抵抗、電流センサーなど大電流による校正が必要な機器に適している。
1台で単相2線交流電力を測定する電力計の校正をし、複数台接続することで単相3線交流電力や三相交流電力を測定する電力計の校正も可能になる。標準仕様の複数台制御機能で、マスター機とスレーブ機の役割が設定でき、マスター機に出力条件を入力すれば、電圧、電流、力率、位相などの平衡条件となる値がスレーブ機に自動設定される。これにより個々の機器への入力作業が不要となり、校正作業の効率が向上する。
電力計などの測定器用の校正器は、単相2線交流電力が校正できるタイプと、複数台を組み合わせることで三相交流電力も校正できるタイプが主流だ。しかし、これらは多機能で高額であることに加え、大電流の連続出力可能時間が短く、三相電力校正の設定操作が複雑といった課題があった。
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