幾何公差や寸法測定の課題に対する幾つかの取り組みを紹介していく本連載。第2回は幾何公差と寸法公差での測定方法の違いについて解説する。
前回は、実際の図例の中で、どんな幾何公差が用いられているか、概略を示しました。今回は、幾何公差というものの、従来の寸法公差図面との違いを測定の観点で考えていただきます。
まず「公差域」という概念について馴染んでいただく必要があります。読者の皆さんが慣れ親しんだ寸法公差図面では寸法公差というのは最大・最小許容寸法の差でしたね。片側公差、両側公差の違いこそあっても、極めて単純に理解することが可能です。実は、寸法公差というのはサイズを規制する寸法で、「サイズ寸法」ともいえるのです。大きく分けて長さ公差と角度公差の2種のみです。
一方、幾何公差は、前回も示したように、図1のような分類表で示される多様な公差の種類があって、単純に大きさや角度のみでなく、形状、姿勢、位置、振れといった、形状や姿勢を規制します。
そこには、多彩な公差域というものがあって、2次元、3次元の範囲を持つことになります。この公差域に関しては、今後、順次紹介して行きますが、図2のようになっています。
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