―― ライセンス体系は中小規模の企業に対してどのように配慮しているか。
クマー氏 現在SIMULIAの中核であるAbaqusは米HKS社を源流としており、40年の歴史がある。顧客は多様で、大企業はもちろん小規模のユーザーも多く、現在もそれは続いている。ライセンス体系に対しては、小規模の企業にも利用しやすいよう2点の施策を行っており、非常に競争力があると考えている。
1つ目は、シミュレーションをクラウド上に導入できる点だ。小規模の企業やスタートアップも、ハードウェアに投資せずに済む。IT部門がインストールや管理をする必要もない。クラウドによって、ソフトウェアの費用に限らず全体的なコストを抑えることができる。2つ目の施策は、オンデマンドライセンスだ。またこれを3Dエクスペリエンスプラットフォーム上で提供するにあたっては、柔軟性の高いライセンスモデルも提供している。
―― 大規模解析の開発状況はどのようになっているか。
クマー氏 まだ非常に早期の段階なので、どのように提供するかは慎重に考えていきたい。信頼性やロバスト性を確保していきたいし、バーチャルとリアルのマッチングも担保していく。今いくつかの顧客に協力してもらい、ニーズを満たすようなソリューションを構築できるよう作業を進めている。Abaqusのソルバーを使うことを考えている。より重要なのは、メッシング、モデリング、可視化だ。それらに対しても3Dエクスペリエンスプラットフォームの先端技術を用いていく。
―― 日本および世界のマーケットについてどのようにみているか。
バーキー氏 日本には参入してから長くたっており、非常にうまくいっていると思う。顧客の達成している成果も非常に誇らしい。これからもビジネスおよびアカデミック分野に対してお手伝いしていきたい。
クマー氏 ライフサイエンスや消費財分野での利用をより促進したいと考えている。日本では自動車やエレクトロニクスの分野でのシミュレーションが進んでいるので、引き続き強化していきたい。また、シミュレーションはアナリストのレベルにおいて普及が進んでいる。今後は設計者やエンジニアリングのレベルでも世界的に普及させていきたい。3Dエクスペリエンスプラットフォームによって、シミュレーションの仕組みについては理解しなくても使えるようになるだろう。シミュレーションの価値を生産現場や品質、マネジャーレベルなどさまざまなユーザー層に提供していきたい。
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