世界初の全身用320列面検出器型の立位/座位CTを開発医療機器ニュース

東芝メディカルシステムズは、全身用320列面検出器型の立位/座位CT「東芝スキャナ TSX-401R」を発表した。慶應義塾大学 医学部との産学連携により開発したもので、従来の装置では困難だった全身での撮影や軟部組織の評価ができる。

» 2017年05月23日 15時00分 公開
[MONOist]

 東芝メディカルシステムズは2017年5月2日、全身用320列面検出器型の立位/座位CT「東芝スキャナ TSX-401R」を発表した。慶應義塾大学 医学部 放射線科学教室との産学連携により開発した。従来のCTは横たわっている姿勢のみでしか撮影できず、起き上がると増悪する病態や立位/座位でしか行えない機能の評価はできなかった。

 TSX-401Rには、同社が独自に開発したエリアディテクターCT「Aquilion ONE」の最新技術を応用している。加えて、装置左右のスタンド部分に内蔵する高精度な駆動機構を開発。画質に影響を及ぼす振動を従来の臥位CT以下に抑え、スキャナー自体を上下駆動させながらの全身撮影を可能にした。

 また、従来のCTでは縦置きだった架台を横置きにし、上下動させることで、立位/座位で撮影できるようになった。320列の面検出器により、一回転を最速0.275秒のスキャン時間で最大160mmの幅を0.5?スライス厚で撮影できる。従来の装置では困難だった全身撮影が可能で、臓器や筋肉など軟部組織の評価も可能になった。同一部位を連続撮影し、臓器や脊椎/関節の動態情報を立位/座位で収集できる。

 同CTは慶應義塾大学病院に第1号機が導入され、2017年5月に臨床研究を開始。今後、慶應義塾大学では、荷重がかかることで判明するような四肢/脊椎の運動器疾患やヘルニア/臓器脱、立位/座位でしか評価できない呼吸機能/循環動態、歩行など、さまざまな病態や機能を評価していく。

photo 架台上部 出典:東芝メディカルシステムズ
photo 架台下部 出典:東芝メディカルシステムズ

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