サイバーダインとワークスアプリケーションズ(ワークス)は、日本政府が推進する「Society 5.0」や「Connected Industries」の実現を目指し、サイバーダインのサイバニクス技術とワークスアプリケーションズのAI技術を組み合わせた次世代システムの共同開発に向けて業務提携すると発表した。
CYBERDYNE(以下、サイバーダイン)とワークスアプリケーションズは2017年5月15日、東京都内で会見を開き、日本政府が推進する「Society 5.0」や「Connected Industries」の実現を目指し、サイバーダインのサイバニクス技術とワークスアプリケーションズのAI(人工知能)技術を組み合わせた次世代システムの共同開発に向けて業務提携すると発表した。併せて、サイバーダインがワークスアプリケーションズに10億円出資する形での資本提携も発表した。共同開発する次世代システムについては、主に働き方改革を対象として2017年末までにコンセプトを提示し、2018年以降に市場投入する計画だ。
サイバーダインは、ロボットスーツ「HAL」や医療機器レベルのバイタルセンサーなどのサイバニクス技術で知られる。一方のワークスアプリケーションズは、国内ERP市場でトップシェアを有するとともに、AI技術を活用したERPパッケージ「HUE」を展開している。共同開発する次世代システムは、サイバーダインのサイバニクス技術で得た生体情報や環境情報をワークスアプリケーションズのERPにつなげて、AIによる解析を通してさまざまな企業や職場に最適な労務管理や生産管理を行えるようにするものだ。
サイバーダイン社長の山海嘉之氏は「ドイツの提唱するインダストリー4.0に対して、Society 5.0は人という要素を重視していることが特徴だ。当社のサイバニクス技術は、人の脳機能や生理機能を情報として取得できるIoT(モノのインターネット)デバイスであり、これらの情報を集めて分析するAI技術を持つワークスアプリケーションズは素晴らしいパートナーだ」と語る。
またワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者の牧野正幸氏は「1年以上前から、サイバーダインとのさまざまな交流を経て、Society 5.0の実現に重要なポイントを互いに有していることを確認した。人を重視するSociety 5.0は、個人の生産性やクリエイティビティの最大化を目指す当社の考え『Workforce Tech』に沿っている。インダストリー4.0を超えて、Connected Industries、そしてSociety 5.0を実現していきたい」と提携の意義を語る。
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