Googleは、「CeBIT 2017」において、機械学習ライブラリ「TensorFlow」の国内採用事例となる、「から揚げ配膳ロボット」「きゅうり仕分けロボット」「ドローンで撮影した写真の解析」を展示した。
Googleは、国際情報通信技術見本市「CeBIT 2017」(2017年3月20〜24日、ドイツ・ハノーバー)において、機械学習ライブラリ「TensorFlow」の国内採用事例を展示した。
ICTの見本市であるCeBITに、ITの巨人であるGoogleが出展すること自体に違和感はない。しかし、CeBIT 2017では、Googleの米国本社や欧州法人は出展していない。今回のGoogleの出展は、CeBIT 2017のパートナー国・日本が構えるジャパンパビリオン内で、Googleの日本法人(グーグル合同会社)が行っているのだ。
その展示内容は、Googleの取り組みではなく、Googleが提供する機械学習のライブラリであるTensorFlowの採用事例になっていた。
展示は3つ。「から揚げ配膳ロボット」と「きゅうり仕分けロボット」、そして「ドローンで撮影した写真の解析」である。
から揚げ配膳ロボットを開発したのはRT Corporationだ。今後国内で想定される労働人口の減少を背景に、弁当屋で人と協働できるロボットの開発を進めている。同じ形にはならないから揚げを正確に画像認識するのにオープンソースのTensorFlowを用い、10日間でプロトタイプの開発を完了した。CeBIT 2017で披露した展示デモは、約1カ月で完成したという。
きゅうり仕分けロボットは、きゅうり農家で組み込み技術者の小池誠氏だ。母親が毎日8時間かけて行っているきゅうりの仕分けを自動化するためにTensorFlowを採用した。あまり知られていないが、きゅうりの出荷規格には9段階の区分がある。小池氏は、母親が経験によって仕分けた9000枚の画像データを教師データとし画像認識モデルを構築した。ロボットの動作制御は「Raspberry Pi」や「Arduino」などの市販の制御基板を利用し、構成部品はホームセンターで購入したり3Dプリンタで作成したりした。「しかし、まだ認識レベルが低く、母親に『まだまだ任せられないよ』といわれています」(小池氏)という。
ドローンで撮影した写真の解析は、ソニーとZMPの合弁会社であるエアロセンスが行ったもの。建設現場に駐車された車両の空撮画像から、TensorFlowで車両台数をカウントするアルゴリズムを構築した。
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