長野沖電気は「ネプコンジャパン2017」において、産業用オープンネットワーク「EtherCAT」の新規格である「EtherCAT P」の評価ボードを出展した。
長野沖電気は「第46回インターネプコンジャパン」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)において、産業用オープンネットワーク「EtherCAT」の新規格である「EtherCAT P」の評価ボードをいち早く出展した。
「EtherCAT」は、もともとドイツのBeckhoff Automation(ベッコフオートメーション)が開発し現在はEtherCAT Technology Group(ETG)によって運営されているイーサネット(Ethernet)と互換性のあるフィールドネットワークである。高速性や高度な同期性能などが特徴だが、2016年4月にトヨタ自動車が工場内の産業用ネットワークとして採用を発表したことで、注目を集めた※)。
※)関連記事:トヨタが工場内ネットワークでEtherCATを全面採用、サプライヤーにも対応要請
「EtherCAT P」はこのEtherCATの新規格で、1本のケーブルで通信だけでなく電源供給も可能としたことが特徴だ。従来は配線が2系統必要だったが、これを削減することで、省線化が実現でき、コスト削減と設置スペース削減が可能となる。EtherCAT P規格は2016年4月に技術仕様書のドラフト版が公開。その後、仕様書の更新作業が進みEtherCAT Pスレーブの種類や機能の定義、物理層の構成、ケーブルやコネクタの技術仕様の概要についての規定も進んできたとしている。
さらに2016年11月には、ベッコフオートメーションが、EtherCAT Pアプリケーションノート(EtherCAT Pスレーブを実装するためのガイドライン)をETGメンバー向けに公開。コネクタ、電気仕様、EMC準拠設計の推奨事項など、EtherCAT実装のポイントを記したもので、製品開発環境が急速に整ってきつつある状況である。
長野沖電気では以前からODMおよびEMSビジネスを展開しており、EtherCATスレーブの開発・量産サービスなどを展開してきた。
今回はEtherCAT Pへの対応をいち早く実現し、製品開発支援環境を整えた。長野沖電気 EMS営業本部 グループ営業部 部長の加部好実氏は「EtherCAT Pについては、発表時から大きな注目が集まっており、既に評価ボードが欲しいという引き合いも得ている。ETGにも協力を頼み、いち早く評価ボードをリリースすることができた」と述べている。今後は積極的に評価ボードの貸し出しを推進するとともに、製品開発支援や量産支援などにつなげていく狙いである。
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