EtherCAT対応など工場のIoT対応を加速させる日立、まず「見える化」を提案スマートファクトリー(1/2 ページ)

日立製作所は、ユーザーイベント「Hitachi Social Innovation Forum 2016 TOKYO」において、新たに発売したばかりのIoT対応産業用コントローラー「HXシリーズ」(日立産機システム製)を紹介した。

» 2016年11月04日 13時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 日立製作所は、ユーザーイベント「Hitachi Social Innovation Forum 2016 TOKYO」(東京国際フォーラム、2016年10月27〜28日)において、新たに発売したばかりのIoT(モノのインターネット)対応産業用コントローラー「HXシリーズ」(日立産機システム製)と製造現場をイメージしたデモを紹介した。

photo 日立製作所が出展したIoT対応産業用コントローラー「HXシリーズ」と製造現場をイメージしたデモ設備(クリックで拡大)

エッジのオープン化を加速させる日立

 日立グループでは2015年11月に、日立製作所、日立産機システム、日立産業制御ソリューションズの3社で、IoTに対応した次世代産業用コントローラーおよび産業用PCを開発したと発表※)。その後、開発を進めこのほど、販売を開始したという。

※)関連記事:IoT対応の産業用コントローラーを日立製作所が開発、2016年4月から展開

 日立産機システムが開発したIoT対応産業用コントローラー「HXシリーズ」は、インダストリー4.0など、IoTによる製造現場の革新する動きに対応したもので、設備機器を制御するだけでなく、設備機器の情報をクラウドまでシームレスに伝えることを可能としたものである。

photo IoT対応産業用コントローラー「HXシリーズ」(クリックで拡大)

 これらに対応するため、国際標準であるIEC61131-3規格に準拠するプログラミング言語を採用することで、グローバルでのプログラミング技術者の確保を容易にしている。さらに産業用オープンネットワークであるEtherCATを採用。普及が進んでいるEtherCAT対応の多くの設備機器との連携を実現し、機器の高速制御を可能としている。

 EtherCATを採用した理由について、日立産機システム 事業統括本部 ドライブシステム事業部 企画部 制御企画グループ 技師の藤田実氏は「産業用オープンネットにはさまざまな規格が存在しているが、他の規格に比べて企業の色が少なくオープン性が高いことが採用の大きな要因だ。また、グローバル対応という意味でも扱いやすい」と述べている※)

※)関連記事:トヨタが工場内ネットワークでEtherCATを全面採用、サプライヤーにも対応要請

 さらに、「OPC-UA クライアント」としての機能を内蔵していることも特徴だ。「OPC-UA」はインダストリー4.0において、製造現場と上位システムのデータ連携における推奨通信規格として位置付けられている規格である。OPC-UA クライアント機能を持つことで、OPC-UA対応の上位システムから自由にコントローラーの情報を取得できるため、製造現場の情報と、基幹システムなどの情報を照らし合わせて、精度の高い経営判断などの実現につなげることなども可能となる。また、イーサネットのインタフェースを3つそろえるとともに、SDメモリーカードやUSB端子など、インタフェースが充実している点なども特徴である。

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