無論、全くソフトウェアの提案がないわけではなく、富士ソフト(Photo10)とか、エーアイコーポレーション(Photo11)などの大手は元気だったし、TOPPERSプロジェクトなどもそれなりに大きなブースに複数のベンダーがソリューションを展示していた(Photo12)。
ただ全体を通してみると、明らかに傾向としていえるのが「自動車への傾注」である。TOPPERSでもヴィッツによる自動運転開発支援ソリューションが展示されていたし、ユビキタスも同社の従来のソリューション(Photo13、14)に加えて自動車向けを大きく展示していた(Photo15)。SCSKはAUTOSAR対応のBSW(Basic SoftWare)向けソリューションである「QINeS」(Photo16)を前面に押し出していたし、Skyの展示(Photo17)もADAS(先進運転支援システム)開発を大きくアピールしていた。
これは国内勢だけでなく海外勢も同じで、例えばつい先日シーメンスによる買収が発表されたメンター・グラフィックスは、明確に自動車を前面に打ち出したものになっており、申し訳程度にEDAとか組み込みのソリューションも展示するという具合になっていた(Photo18)。ET展を明らかに自動車関連ソフトウェアの展示の場所と考えている節がある。
同様の展示は他のソフトウェア会社でも同じで、一時期に比べると自動テストツールとかUMLなどを使った開発環境改善提案などは減った印象である。唯一この分野で増えているのは、ISO 26262とかIEC 61508/IEC 62304などの安全規格向けソリューションで、広義には産業機器関連とか医療業界などのシステム開発に貢献するのであろうが、短期的に見ると最初の顧客は自動車業界向けということになるだろう。
そんな訳で、今回のETを見る限りは多くのソフトウェアベンダーが一斉に自動車向けを強化する方向になっているようだ。IoT向けよりも確実に食える、というあたりの判断なのだろうか?
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